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月の雫

第35章 かけがえのない日々の中で


お。
今朝はビュッフェかぁ。
和食が続いていたから、洋食が食べたかったんだよね。

あ。
昨夜は誰が運んでくれたんだろう。

鶴丸「おー、おはよう月胡。」

『おはよう、鶴丸。
あのさ、昨夜は誰が私を運んでくれたの?』

一緒に飲んでたから、知ってるかな。

鶴丸「蜻蛉切だぜ。
珍しいよな、月胡が飲んでる途中で寝ちまうなんて。」

『なんか…安心しちゃってね。』

鶴丸「それは、何よりだな。」

『そうかな…。』

鶴丸「そうだろ?俺たちたいて安心できたなら、最高じゃないか。」

『…だね。』

気を抜く事が出来る場所・相手がいるという事は最高だわ。
そうだ。
私はもう、一人でも居場所のない者でもない。
役目も守る者も、居場所もあるんだ。
逆に、私の事を大切に想ってくれるみんなが居る。

『鶴丸はいい事を言ってくれるなぁ。』

鶴丸「俺は事実しか言ってないぜ。」

『そうねぇ。』

そういうのをサラッと言えるのは、かっこいいなぁ。
本当に、いい奴ばかりだ。

『あ、蜻蛉切。』

蜻蛉切「はい。」

『昨夜は運んでくれて、ありがとう。
お礼に後で、一緒にお茶を飲まない?』

蜻蛉切「そんな…主を運ぶくらい、なんでもないですよ。
しかし、共に茶をするのは嬉しいです。」

『じゃ、八つ時に迎えに行くね。』

蜻蛉切「お待ちしております。」

村正「私もご一緒していいデスカ?」

『もちろん!村正の分も用意しておくね。』

村正「はい。」

朝食を終えて女将に大福を頼み、部屋で食休をしてからプールへ行く。
堀川と長曽祢がしっかりと泳ぎ込んでいる隣で、蛍丸と愛染が遊んでいて。
プールサイドのベンチでは、明石が寝ていた。
明石…裏切らないな。

静かに水に入り、ゆっくりと泳ぐ。
まだ、なんとなく身体が硬く感じる。
身体の動きや感覚を確かめながら泳ぐと、なんだか整っていく。
クールダウンにぷかぷかと浮かんでいたら、グンっ!と水の中へ引きずり込まれた。
誰だ!?
体勢を整えて確認すると、陸奥守がニカっと水中で笑っていた。
やられた…と思っていたら、ぐっと手を引かれ…

『Σ!!!』

口づけられた。
それも、深く。



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