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月の雫

第35章 かけがえのない日々の中で


ー月胡ー

結局、日が高くなるまでどんちゃん騒ぎをしてそのまま広間で雑魚寝。
目を覚ましたのは、夕飯の時間だった。

翡翠「ほれ。仕出しを用意しておいたぞ。」

『何から何まで…
ありがとう、翡翠。』

翡翠「いーえ。(素直な月胡は毒だな。せっかく諦めたのに…)」

『その前に、お風呂に入りたい!
みんなも、綺麗にしておいでー。
それから、いただこう。』

和泉守と次郎と日本号の二日酔いは想定内だったけど、長谷部や他の大人男士もボロボロだ。
…まとめて手入れするか。

広間に霊力を満たす。

小夜「あ…。」

加州「やっぱり、心地いい。」

陸奥守「これじゃ、これっ!!」

ん?どうしたんだ??

膝丸「久しぶりの月胡の霊力が嬉しいのだ。」

乱「ずっと、本丸に満たされていたんだけどね。」

石切丸「やはり、月胡がそばに居て注いでくれるのとは訳が違うという事だね。」

そういうもの、なんだ…
でも、確かにみんなの表情が格段に良くなった。

次郎「よーっし!風呂でさっぱりしたら、また飲むぞー!!」

太郎「…少しは学習しなさい。」

千子「さっ、主。脱ぎまショウ!」

亀甲「そして、共に湯殿へ!!」

『蜻蛉切ー!長谷部ー!』

蜻蛉切「かしこまりました。」

長谷部「コイツらも少しは学習して欲しいものだ。」

村正と亀甲が連れて行かれたのを確認してから、自室へ行くと想像以上に整えられていた。
私の好きな香り、好きな花で満たされていて。
綺麗に整えられたベッドの上には、同じく整えられた装束・浴衣・部屋着が置かれてある。
加州・乱・歌仙の気持ちが伝わってくるなぁ。
お風呂にお湯が溜まるまで珈琲を淹れようかな。

伽羅「主、いいか?」

伽羅が来るなんて、珍しい。

『どうぞ。』

ドアを開けた伽羅はトレーに珈琲とチョコレートを乗せていて、テーブルに置いてくれた。

伽羅「風呂が貯まるまで少し時間がかかるだろうと思って。」

『すごい…今、飲みたいと思って淹れる所だったのよ。』

伽羅「…俺にだって、それくらいは解る。」

宗近達のように繋がりがなくても、私の事を見ていればって事か。

『…ありがとう、伽羅。』

伽羅「共に飲むのは、休暇の時に。」

『うん、約束ね。』

そう言うと、伽羅はすぐに部屋から出て行った。



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