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月の雫

第34章 続いてゆく道


翡翠「随分とお早いお帰りで。」

広間に着くと、笑顔なのに目が少しも笑っていない翡翠が居た。

『…遅くなって、申し訳ない。』

全員(((素直に謝った!?)))

翡翠「いっ、いや…ってか、頭打ったのか?
本当に月胡なのか!?」

…本気で、失礼なヤツだな。

『誰だよ、翡翠呼んだの。』

涙、ひっこんだわ。

翡翠「あ、本物だわ。」

三日月「俺だ。
月胡不在の間、本当に良くしてくれたのだぞ?」

…それは、分かる。
本丸やみんなの状態を見れば、翡翠がちゃんとケアしてくれていたんだと。
不足がないよう、刀剣達が困らないように尽くしてくれていたんだね。

『翡翠。』

翡翠「なに?」

『私の勝手で心配と迷惑をかけた。
本当に、申し訳なく思っている。
…ありがとう。』

翡翠「お礼は身体でいいよ。」

チャキッ…

髭切と膝丸が両サイドから翡翠に刀を突きつける。
あぁ…愛すべきテンプレ。
何もかも、今まで通りだ。

燭台切「さっ、ありものだけど準備出来たよ。」

歌仙「はじめよう。
三日月さん、音頭を。」

三日月「うむ。
…月胡の無事帰還を祝おう。乾杯!」

全員「「「かんぱーい!!」」」

みんなと盃を交わして、一気にあおる。
ん〜〜!染み渡るっ!!

石切丸「今日はどんな飲み方をしてもいいからね。」

『ありがとう!
でも…その前に、話したいことがあるの。』

蜻蛉切「なんですか?」

『私がどうやって戻ってきたかを。』

そう言うと皆、呑むのをやめて私の方へと向いて姿勢を正した。
我が刀剣ながら、素晴らしいなぁ。

『後できちんと記録に残すけれど、私の口から話したい。』

まずは、狭間から討伐組を送り返した所から。
八咫を討ち、力の全てで穢れを祓って、弔い。
その後、力が戻るまでおとなしくしていた事。
不思議な空間だった事。
みんなの事は、片時も忘れなかった。
会いたくて、泣き叫んだことも。
包み隠さず、全てを話した。
まぁ、予想通りだったろうけど。

『力が戻り、本格的に戻る方法を探ろうとしていた時…
翁が来てくれたの。』

鯰尾「翁が!?」

『そう、翁が。』



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