• テキストサイズ

月の雫

第34章 続いてゆく道


長谷部「主ー!」

機動力No. 1の長谷部を先頭に。
身軽な短刀達。

乱「主さんっ!」

薬研「大将!!」

それに、普段は走らなそうな子も。

明石「主はんっ!」

蜂須賀「主!」

みんな…泣いてる。

『ふぇっ……。』

膝丸「ほらな。」

『だってぇー。』

泣くでしょうよ!
みんなが泣いてるんだもん。
会いたかったんだもん!

宗近達が一歩下がったのを不思議に思っていたら…

今剣「あるじさまー!」

と、今剣を皮切りに短刀達に押しつぶされた。
そう、いつものテンプレだ。

『ぐすっ…っあははははっ!!』

小夜「主?」

『本当に、帰ってきたんだ!』

浦島「主…。」

『帰ってこれたんだねっ!!』

石切丸「そうだよ。
帰ってきてくれたんだよ。」

石切丸が引っ張り上げてくれた。
涙を浮かべ、それでも嬉しそうに微笑んで。

ぐるりとみんなの顔を見る。
誰一人、欠けてない…
良かった…

『遅くなって、ごめん。
…ただいま。』

全員「「「おかえり(なさい)っ!!」」」

陸奥守「さっ!広間へ行くぜよー!!」

『えぇ?もう、遅いよ。』

日本号「何言ってんだ、寝てなんていられるかってんだ。」

歌仙「いつ戻ってもいいよう、食材や酒は揃えてある。」

燭台切「任せて。」

…みんな。

五虎退「あ…でも、主さま。
お疲れではありませんか?」

一期「そうですね、大丈夫ですか?」

『みんなに会ったら、そんなものは吹き飛んだよ。
…みんなと一緒に居たい。』

和泉守「何言ってやがる!
今までもこれからだって、ずっと一緒だろ?」

堀川「いい事言うじゃない、兼さんっ!」

本当に。
じわっと胸の奥が熱くなる。

今剣「さっ、行きましょう!」

今剣と小夜に左右のを引かれ、信濃が背中を押す。
みんなに囲まれて、広間へと移動する。

温かい…
抱き締めてくれた宗近・髭切・膝丸。
短刀達に押しつぶされた時。
引き上げてくれた石切丸の手。

何より、私の帰りを一心に祈ってくれたみんなの心が温かい。

後藤「もー、泣き止んでよ。大将!」

『今日は見逃して。』

小狐丸「頭が痛くなってしまいますよ?」

『みんなが看病してくれるから、大丈夫。』

そう、大丈夫なんだ。
もう、何も心配いらない。



/ 274ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp