第34章 続いてゆく道
翁「ありがとう、月胡。
刀剣男士を護ってくれて。
本丸を立派にしてくれて。
私は嬉しいよ。」
『みんなのお陰です…
みんなが居たから、私はやってこれたのです。』
翁「ならば、早く帰らないと。
さぁ、こちらにおいで。」
翁に手を引かれ、鏡の前へと導かれた。
鏡なんて…あった?
翁「私の力だよ。
私はね、刀剣を護るものへとなったんだ。」
翁は守護神になられたのか!
翁「だからね、刀剣強い願いには応えられる。
だが、ここのところとある本丸の刀剣達の願いが強すぎてね。
他の願いが全く届かなくて困っているんだよ。」
『それは、まさか…。』
翁「月胡の刀剣たちだよ。」
やっぱり…
翁「こんなにも強く純粋な願いは、他にない。
君の帰還だけを、ひたすらに祈っている。」
みんな…
翁「さぁ、ここを抜ければ月胡の本丸だよ。」
『翁…。』
翁の温かい手が、背中に触れる。
そう…
いつもこの手が私を助けてくれた。
翁の所で修行すれば、はれて審神者になれる。
私は自由になれるのだと、そう考えていた私に大切な事をたくさん教えてくれて。
この本丸へと導いてくれた。
翁「いつも、見守っているからね。
…幸せにおなり。
月胡が選んだ相手と。」
『はい…本当に、ありがとうございます。』
翁「…さあ、お行きなさい。」
『翁っ!』
翁「なんだい?」
『翁の育てた刀剣を…
そして、新たに迎えた刀剣も。
この本丸を、大切にします。』
翁「任せたよ。
月胡なら、大丈夫だ。」
優しく包み込むように微笑み、そっと鏡の中へと背中を押してくれた。
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