第4章 様々な関わり方
『うん。
中傷までなら資材なしで手入れ出来る。』
膝丸の足首に手を当て、霊力を込める。
膝丸「もしかして、月胡は霊力を加減しているか?」
『うん、抑えてるよ。
じゃないと、色々な影響が出てしまうから。』
そう。
良からぬ物(者)を呼び込んだり、異常な現象を引き起こしてしまうんだ。
『自分でも加減してるけど、このピアスでもセーブしてる。』
左耳の上の方に付けているピアスがそれ。
寝ている時や万が一気を失った時に、力を放出しない為にだ。
他の方法も教えてもらったけど…
試せないんだよなぁ。
『はい、終わり。
どう?痛みは。』
膝丸「なんともない。ありがとう。」
『いいえ。
なにかあったら、すぐに言ってね?
手遅れになったらいけないから。』
膝丸「わかった。月胡もな。」
『私?』
膝丸「辛いのを我慢して、潰れる前に言ってくれ。」
『…わかった、必ず。』
膝丸「約束だ。」
と、小指を出した膝丸。
指切りって事かな。
『うん、約束。』
その指に私の指を絡めて、固く結んだ約束。
守らないとね。
鍛錬を続ける膝丸と別れ、庭を一周してから自室に戻った。
祈祷があったから装束を着たけど、今日は休暇日だ。
楽な私服に着替えよう。
スカート…とも思ったが、男士ばかりだからなぁ。
ニットとスキニーにしておこう。
着替えを済ませて、端末を開き、夕飯の材料を注文する。
昼には届くだろう。
さて…
何をしようかなー。
加州「主ー、居る?」
『居るよ、どうぞ。』
加州「失礼しまーす。
ねぇ、主…って、今日は装束じゃないんだね。」
『うん。』
加州「そういうのも、似合うね。
じゃ、ちょうどいいかな。
爪紅、塗ってもいい?」
『私に?』
加州「そう。
絶対似合うと思うんだ。」
『お願いします。』
加州「そう来なくっちゃ。
お願いされまーす。」
加州にネイルしてもらったら、気分が上がった。
お洒落はいいねぇ。
それに、友達(?)とこういうのした事がないから新鮮。
加州だけじゃなく、乱ともこういうのは出来そうだな。
任務以外での関わり方も、色々ありそう。
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