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月の雫

第4章 様々な関わり方


ー月胡ー

翌日
いつも通りに起きて、祓え殿へ向かうと石切丸が祈祷の準備をしていた。

『おはよう、石切丸。
休暇日なのに、ありがとう。』

石切丸「おはよう、主。
主こそ、来てくれたんだね。
…それよりも、あれだけ呑んだのになんともないんだ。
本当に強いんだね。」

『そんなに呑んでないよ?』

石切丸「いやいや、同じだけ呑んでいた次郎太刀はまだ潰れているよ。」

そうなんだ…
実際、かなり呑んだとは思うけど。
次郎、潰れたのか。

『石切丸はちゃんと、加減できるんだね。』

石切丸「まあね。」

なんとなく、三条の刀派は弱味を見せない気がする。
上手く隠すというか、本心は曝け出さない。
気をつけてあげないと、無理しそうだ。

祈祷を終え、身体を伸ばしながら庭を歩く。
花々が元気ならば、穢れなどは無いと安心出来る。
結界にはサンサーのような効果もつけたから、外部から何かあればすぐ分かるしな。

『今日も健やかだ。』

膝丸「月胡?」

『膝丸、おはよう。』

膝丸「おはよう。早いんだな。」

『うん、石切丸と祈祷してきた。
膝丸も早いね。
二日酔いは大丈夫?」

膝丸「あぁ。俺はそれほど呑んでいないから。
月胡は…平気そうだな。」

暗に“あれだけ呑んだのに”って言われてる気がする。
いいんだ、ザルなのは自覚しているから。

『一度、限界が知りたくて呑んだ事もあったけど、一晩呑んでも大丈夫だったんだ。』

膝丸「それは…もう、ウワバミだな。」

『だから、楽しむ事にした。』

膝丸「それがいい。』

『膝丸は素振りしてたの?』

手に木刀を持っているし、少し汗もかいてる。

膝丸「早く人の身体に慣れたくてな。」

そうか。
顕現したばかりだから、まだ上手く使えないんだね。

『慣れるまでは内番で手合わせにしようか。』

膝丸「そうしてもらえると、助かる。
早く月胡の役に立ちたいからな。」

『膝丸…。』

膝丸「初めてだ、自ら仕えたいと思ったのは。」

刀剣は主を選べないもんね。
なおさら、後悔させたくない。
ん?

『膝丸。
足首、どうしたの?』

膝丸「あぁ、先程捻ってしまったようだ。」

『見せてね。』

骨まではいってないけど、捻挫してる。

『手入れ、するね。』

膝丸「ここで?」



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