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月の雫

第31章 突入


八咫「月胡…何故…俺を選ばないっ!」

ガキンッ!

暗闇に八咫のギラついた瞳と、刀が交わって飛んだ火花が浮かぶ。

『私は審神者だ。』

八咫「それが、なんだっ!
俺を受け入れない理由はないだろっ!!」

『八咫。』

八咫の刀を払い除け、床に叩き落とすと同時に部屋の隅へと蹴り飛ばす。

『すまない。』

ダンッ!と一気に詰め寄り、刀を心臓の辺り目掛けて刺した。

八咫「Σ!!!」

八咫の手が私の着物を掴む。

『私はお前を選ばない。』

八咫「嫌だ…嫌だいやだイヤダイヤダぁぁぁぁっ!」

『くっ!』

八咫が力の全てを込めて、抱きしめてきた。

八咫「俺のモノにならない訳がないっ!
全ては俺の思う通りになるっ!
お前の刀剣など、全て折ってやるぅぅぅ!!」

八咫の身体から、邪悪に支配された念が噴き出そうとしている。
これに刀剣が触れたら、腐敗してしまう!

『八咫ぁぁぁぁっ!』

ここは狭間。
本丸との繋がりを断てば、刀剣を守れる。
まずは、連れてきた刀剣を本丸に戻さないと。



ーotherー

薬研「ん?これは…。」

伽羅「まずい!強制的に本丸に送られる!」

和泉守「月胡、やめろっ!!」

燭台切「戻る時は一緒だよっ!!」

加州「主っ!!」

長曽祢「天守へ行くぞ!」

大和守「うんっ!!」

連れてきた刀剣達は、ほぼ敵を殲滅していた。
八咫が月胡に気を取られていた為、遡行軍を送れなかったのだ。
それでも、向かってくる残りを倒しながら各々天守を目指して全力で走る。

大典田「月胡…馬鹿な事をするな。」

蛍丸「主…待ってて。」

天守に着くと、月胡が八咫にはがいじめにされていた。

陸奥守「主っ!!」

太郎「なんですか、あの禍々しいモノは…。」

八咫から噴き出そうとしている念に、皆が慄く。

『来るな…っ!!』

バチっ!!

天守に入ろうとした明石の手が弾かれた。

明石「結界!?」

乱「解いて!主さんっ!!」

太鼓鐘「解いてくれっ!」

鶴丸「主!!」

刀剣達はそれでも中に入ろうとするが、月胡の結界は解けるはずもなく。

翡翠「やめろ!月胡っ!!」

ただならぬ気配を感じ、翡翠も結界まで来たのを確認すると月胡は微笑んだ。



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