第30章 作戦
広間に全員揃ったので、深呼吸をして話す。
『さっき、御手杵が刺さっていた場所を探ってきて残糸を辿った。
これで、八咫の元へと行く。
みんなを二組に分ける。
八咫討伐組と、本丸留守番組。
討伐は伊達組と新選組と来派、大典田、乱・薬研・陸奥守・太郎。
他は留守番組として本丸を守ってもらう。』
ざわっ…
みんながざわつき出した。
…まぁ、想定内。
髭切「月胡、僕は一緒に行くよ。」
膝丸「俺も。」
『変更はしない。
不満がある者は、作戦に参加するな。』
髭切・膝丸「Σ!!」
『皆の意見は聞かない。
主命だ。』
強い言葉でみんなを縛る。
…ごめん。
文句は全てが終わってから聞くから。
『決行は明日の夜明け。
私は八咫を討つことに専念する。
討伐組は遡行軍を頼む。
本丸組は襲撃に備えておくように。
何が起こるか全く予想できない。
皆、覚悟を。
話は以上だ。
これからは、明日に備えて。』
そう言い残し、広間を後にした。
翡翠「言いたい事だけ言って…。」
『文句は後で聞くって。
翡翠はこれからどうする?』
翡翠「政府に戻って、明日の準備をしてくる。」
『じゃ、出撃の時に。よろしくね。』
翡翠「あぁ。」
翡翠を見送り、執務室へ戻ると宗近が居た。
そりゃぁもう、全身で“納得してません”って言ってるなぁ。
三日月「きちんと説明してもらおうか。」
『さっき話した通りだ。』
三日月「月胡。」
…はぁ。
近侍は厳しいなぁ。
仕方ない、宗近には話しておくか。
髭切「僕たちも混ぜてもらおうか。」
膝丸「……。」
わー。
怒ってるー。
ここまで露骨に、隠しもしないのは初めてだなぁ。
…ていうか、執務室の外に他のメンバーも来てるしっ!!
『せっかく、かっこつけたのにぃ…。』
揃いも揃って、主の言う事を聞かないんだから。
長曽祢「俺は不満じゃないが、らしくないぞ主。」
石切丸「納得して任務を全うしたいんだよ。」
鶯丸「行くのしても、残るにしても。
主の意思を理解したいんだ。」
今剣「あるじさま、おねがいします。」
小夜「お願い。」
あー…もう。
『もう一度、広間に行こうか。』
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