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月の雫

第30章 作戦


翡翠と結界へと向かい、三人が直してくれた所に触れて探ってみる。

『…あった。』

まだ、かすかに残っている。

翡翠「…特定できたぞ。」

『狭間…だね。』

時空の狭間。
生と死の狭間。
ちょっと複雑に絡み合っている場所だ。

『同じように、こちらから行く時も霊糸を結んでいこう。
倒せたら問題ないけど、しくじった時はみんなを戻してから断つ。』

翡翠「……。」

また、翡翠がふくれてる。

『翡翠、あなたは政府の役人なんだよ?
これが正しいってわかってるでしょ。』

政府として、審神者の代わりはいても立派に育った刀剣の代わりは得られない。
優先順位は刀剣の方が高い。
それは、私も同じだ。

翡翠「…本当に、八咫を逃すんじゃなかった。」

『その通り。』

全てはそこにあるんだから。
反省して、改善してもらわないと。

『私は負けない。必ず戻る。』

翡翠「当然だ!」

…さて。
みんなにも説明しないとな。

翡翠「…作戦に不備はない。
理想通りのものだと思う。
失敗は許さない。
必ず成功して戻れ。」

おー。
翡翠も強い言葉で来たな。

『かしこまりました。』

さて。
広間に集めて、話すかな。

『宗近ー。
作戦を説明したいから、広間にみんなを集めて。』

三日月「わかった。」

執務室に戻り、宗近に召集を頼んだ。

翡翠「…本当に、三日月宗近を置いて行くのか?』

『安心して本丸を任せられるからね。』

翡翠「無理にでもついて行くんじゃ?」

『…彼に任せたら、無責任な事はしない。
それに、本丸からは追えないようにする。』

冷たいと思われるかもしれないが、今回はそうさせてもらう。
私が思い切り力を出せるようにしておかないと。

翡翠「…荒れそうだなぁ。」

『主命と言われれば、彼らは縛られる。
今回は縛りを強くするから、彼らには解けないよ。』

翡翠「おー、こわ。
お前が決めたら、どうしようもないもんな。
俺も腹を括るかー。」

『遅いよ。』

もっと早くに括ってくれよ。

…まぁ、八咫を逃したのは翡翠じゃない。
それは分かっていても、完全に甘えと油断だ。
相手の力を見誤ってはいけない。
そして、どんな状況も想定しておかなくてはならない。




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