第29章 見えてきた狙い
髭切「僕は、わからないでもないかな。」
膝丸「俺も。」
『えっ?』
三日月「何に変えても月胡が欲しいと思う気持ち、だな。」
石切丸「実行するかどうかは、別としてもね。」
青江「そうだね。それなら、わからないでもない。」
みんな…
和泉守「だが、俺たちは月胡の望まねぇ事はしない。」
陸奥守「じゃな。」
太郎「我々は、貴女の想いも護りたい。」
『……。』
翡翠「…泣く?」
『っるさいっ!!』
馬鹿翡翠。
こんな、愛されてるって実感できたら泣くでしょっ!!
五虎退「主さま…。」
小夜「泣かないで。」
今剣「主さまぁ…。」
うぅ…
短刀たちまで泣いちゃったよ。
『…ありがとう。』
翡翠「ったく、愛の溢れる本丸だこと。」
『妬くな。』
翡翠「ちょっと、意地悪していいか?
月胡が盛られたのは媚薬だぞ?
未遂だったが、八咫に襲われかけている。
…それでも、お前達は冷静でいられるか?」
『翡翠っ!!』
あ…
みんなから静かな殺気と怒気が…
『なんで、言ったのよ…。』
翡翠「俺は八咫を許さない。
それは、刀剣たちと同じだからだ。
今回、八咫を討つ許可を出す。
アイツはもう、人では無い。
今は自我を保っているが、月胡が目の前に現れたら失うだろう。
月胡が討ってもいいし、刀剣たちが討ってもいい。
確実に討伐する事を命ずる。」
刀剣「はっ。」
…良いのだろうか。
私怨にならないの?
翡翠「月胡の考えている事は、解る。
だが、月胡だけじゃないだろ?
御手杵が利用されたんだ、他の刀剣にいつ害が及ぶかわからないんだぞ?
それでも、そんな事が言えるか?」
…は?
刀剣たちに?
加州「あーあー。煽んないでよ、翡翠さん。」
長谷部「殺気がダダ漏れている…。」
光世「月胡、抑えろ。」
『あっ、ごめん!
想像しただけで、ダメだ。』
厚「俺たちの事、言えないじゃん。」
蜂須賀「本当に、主は…。」
いや、痛い子を見るような目はやめて。
傷つく。
翡翠「甘い考えは捨てろ。
相手は時間遡行軍だ。
全力で殺ってこい。」
変換が違うんじゃ無いかって突っ込みは、しないでおこう。
.