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月の雫

第29章 見えてきた狙い


ー月胡ー

膝丸が行ってしまった。
…凛々しい顔をしていた。
進む事を選んだ膝丸。

私も寂しがってるだけじゃ、ダメだ。

『よしっ!今日の仕事を始めようか!!』

厚「そうこなくっちゃ!」

『みんな、今日もよろしくね。』

全員「はっ!」

宗近と執務室へ戻ると、髭切も一緒に来た。

髭切「慰めようと思ったのに、大丈夫そうだね。」

『うん。私も負けていられない。』

戻ってきた膝丸に、がっかりされたくないしね。

三日月「それでこそ、月胡だ。」

宗近に言ってもらえると、嬉しい。
私らしく、ね。

まずは、御手杵の件だ。
詳細をまとめておこう。
事前には何も変化はなかった。
討伐・遠征共に異常があったという報告はない。
本丸もいつも通りだった。

時空の歪みを感知出来る様にしないとならない。
結界で守ることに重点を置きすぎたな。
時間遡行軍が仕掛けてくるなら、時空が歪むはず。
もちろん、討伐や遠征先にも注意を払う。

結界も、硬いだけでなく跳ね返す柔軟性があってもいいかな。

画面を開き、それらが書かれていそうな書物を検索する。

髭切「月胡。」

『なぁに?』

髭切「御手杵の歓迎会は、弟の帰還祝いと一緒にしてはどうかな?」

三日月「それはいいな。皆、膝丸の事が気になってる事だし。」

『そうだね。宗近、みんなに…。』

髭切「僕が伝えてくるよ。二人は仕事をしてて。」

『お願いね。』

髭切が自ら動くのは、珍しい。

三日月「じっとしてられないのだろう。」

「なんだかんだで、ちゃんとお兄ちゃんだよね。』

三日月「だな。」

そらに、刀剣同士の繋がりや絆も強くなってる。
一人一人の力も、自信もついてきているし。
みんなとなら、どんな事でも乗り越えて行ける。
そう思わせてくれる。

『頼もしくなったよね、みんな。』

三日月「月胡もな。
以前より危うさを感じなくなった。
今回の膝丸の事だって、受け入れて乗り越えたな。」

「…みんなに恥ずかしくない私でいたいから。」

みんなのくれる愛情に恥じぬよう。
誕生日にもらったみんなの気持ちを、絶対に裏切らない。

『私の居場所はここなんだ。
この本丸に腰を据え、地に足をついて踏ん張るよ。』

三日月「うむ。ならば俺も、しっかり働くとするか。」



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