第3章 賑やかな日々
石切丸「いいんだよ。
ここに主の敵はいない。
ありのまの主でいて、いいんだ。」
『石切丸…』
五虎退「あるじさま、泣かないで…。」
青江「そうだよ、笑いなよ…にっかりとね。」
『うん…ありがとう、みんな。』
三日月「よしよし。」
『宗近ぁ、ダメだって…余計泣くって…』
髭切「あらら。
じゃ、僕がとめてあげないとね。」
言うが早いか、髭切は私の頬に口付けた。
『Σ髭切!?』
髭切「ほら、止まった。」
止まったって…そりゃ、あんた!!
膝丸「兄者…また、騒ぎの種を……」
ホント、そうだよ!
乱「髭切さん、ずるーい!
僕も、僕もー!!」
薬研「そうだな、差別はいけないよな。」
今剣「じゃ、ぼくもっ!」
ほらほら!
収集つかなくなってるじゃないかっ!
結局、みんなが頬に口付けてくれて…
なんだか、感覚がおかしくなりそうだ…
ていうか、伽羅と山姥切もしてくれたんだ…
三日月「まったく、気に入られたものだな、月胡。」
『そういう事なの?』
もう、もみくちゃにされて良くわからないよ。
それからは、各々好きに飲食して。
遅くなる前に短刀達は部屋に戻り、私は大人刀剣と飲んでいた。
長曽祢「主は酒、強いんだな。」
『ザルらしいよ。
ここへ来る前にあちらの連中と飲んだけど、全員潰したし。』
次郎「頼もしいね!
じゃ、今夜は朝まで呑むよー!!」
『いや、適量でいいよ…』
楽しいお酒はいいけど、朝まではご勘弁だ。
明日は休暇日だけど、やりたい事もあるし。
ん?
なんだ…?
誰かが寄りかかってるな。
『って、和泉守!?
どうしたの!?具合悪いの??』
堀川「あー、潰れちゃったね。」
『えぇっ!?』
長曽祢「心配いらねーよ、こいつは下戸なんだ。」
げっ、下戸!?
堀川「そうなんですよ。
なのに、呑めるふりして頑張るから潰れるんです。」
『なんだか、元の主と同じだよね。』
三日月「翁か?」
『違う違う、土方歳三さん。
彼も下戸だったっていうじゃない。』
加州「へー。知ってるんだ?」
そりゃ、各刀剣の背景なんかは学んだよ。
…行かせたくない任務もあるしね。
そんな心配はいらないし、すでに赴いているようだけど。
辛い思いはしなくて済むなら、その方がいい。
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