第3章 賑やかな日々
髭切・膝丸との気持ちが通じた頃、宗近が来た。
三日月「夕食の支度が整ったぞ。
広間へ行こう。」
『はい。』
髭切「さ、行こうか月胡。」
と、右手を髭切に。
膝丸「そうだな。』
左手を膝丸に繋がれた。
兄弟サンドだなぁ。
『過保護だなぁ。』
三日月「今日だけだぞ、髭切・膝丸。」
髭切「えー、そうなの?」
膝丸「いいから、兄者。」
うん、あまり宗近を刺激しないでくれ。
『じゃ、次は宗近にエスコートしてもらおうかな。』
三日月「任せておけ。」
あ、機嫌直った。
かわいいな、3人とも。
髭切・膝丸にエスコートされて広間へ向かうと、襖が閉まっていて、中から全員の気配を感じる…
今朝までは開けていたし、各々決められた時間内で自由に摂っていたよね?
三日月「開けて良いぞ。」
『えっ?』
スパーン!
宗近の言葉が合図だったのか、襖が思いっきり開いた。
『Σ!!』
「「「ようこそ、主(さま)!!」」」
『えぇー!?』
なになに?
広間が綺麗に飾られてるし、すごいご馳走が机に並んでいる!
鯰尾「主と髭切、膝丸の歓迎会だよ!」
歓迎会!?
『いつの間に…。』
乱「昨夜、決めたの。
で、今日の朝食後から準備したんだよ。」
内番とかをちゃんとこなして、準備してくれたの?
すごすぎるよ、みんな…
ダメだ、泣きそう。
次郎「ほらほら、さっさと始めようよ!」
太郎「主役はこちらに、主。」
太郎太刀にいわゆるお誕生席へと案内され、両サイドに髭切と膝丸が座る。
三日月「では、主と髭切・膝丸の歓迎会を開始する。
乾杯!」
全員「乾杯!」
涙の堤防、決壊。
どうしよう、歓迎会してもらえるなんて思ってもなかった。
私、ちゃんと迎え入れてもらえていたんだ…
髭切「ほら、月胡。乾杯。」
膝丸「月胡。」
『うん…うん……」
ダメだ、二人の優しさにもっと泣けてくる。
自分で思っていた以上に緊張していたし、怖かったんだな…
親元を離され、味方もいたけど敵も多い環境で。
隙を見せたら付け入れられるからいつも気を張っていた。
『…もう、いいのかな?』
髭切「ん?」
『もう、気を張らなくてもいいのかな?』
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