第27章 特別な日
膝丸「俺も仲間に入れてもらおう。」
『膝丸も吸うんだ!』
膝丸「嗜み、だ。」
綺麗な手で煙管を持って吸う姿は、どこか色っぽい。
『…かっこいい。』
膝丸「そうか?」
あ、口に出してた。
『…うん、似合ってる。』
膝丸「ありがとう。」
三日月「あちらは止めないのか?」
髭切「…弟のくせに、生意気。」
また、髭切が膝丸の手をつねってる。
膝丸「妬くな、兄者。」
髭切「たから、生意気だって。」
痴話喧嘩が始まった。(違います)
小夜「主。これ、兄様たちと僕から。」
『ありがとう、小夜・宗三・江雪。』
これは…
『ガラスペン、ね。』
宗三「えぇ。主は筆記用具がお好きでしょ?」
江雪「小夜が教えてくれたのです。」
そう。
万屋へ行った時に、小夜に話した事がある。
ちゃんと、覚えていてくれてんだ…
小夜「主の事なら、忘れない。
この色も、好きでしょ?」
『うん、小夜の髪色と同じだもん。』
小夜「/////。」
赤くなった小夜を撫でる。
物静かだけど、意志の強い優しい子。
今剣「ぼくと岩融からも、筆記用具なんですよ!」
岩融「仕事に使える万年筆だ。」
『雪の結晶の蒔絵…素敵。』
私は雪の結晶が好きだ。
一つとして同じ物がないというし、儚く潔い。
冬の凜とした空気も、夜なのに明るい雪景色も。
『ピアスと髪留めと、万年筆。
お揃いで嬉しいな。』
髭切「まだ、増えるよ。」
膝丸「これは、我等から。」
二人からは、雪の結晶のペーパーウェイト。
石切丸「おや。私からもだよ。」
石切丸は簪。
小狐丸「わたくしからも。」
雪の結晶が彫られた、柘植の櫛。
『…え?好きって言ったかな?』
三日月「月胡のイメージだ。」
髭切「雪のように儚くて。」
膝丸「替えの効かない、ただ一つの存在。」
今剣「雪の中のかまくらのように、温かくて守ってくれる。」
石切丸「凜とした佇まい。」
小狐丸「なにより、美しく透明で。」
岩融「この手で守りたくなるな。」
いやいやいや!
『私はそんな、綺麗なモンじゃないって!!』
日本号「俺たちにとっては、そうなんだって。」
と、日本号は雪の結晶が透かし彫りされたガラスのお猪口を手渡してくれた。
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