第27章 特別な日
長曽祢「ほら、主。」
火をつけて長曽祢が一口吸った煙管を渡してくれた。
『あ、ありがとう…
では、いただきます……。』
なんの羞恥プレイ?
みんな、すごーく見てるんですけど。
煙管を受け取り、口に運ぶ。
軽く吸い込んで、ゆっくりと煙を吐き出す。
ふーーー
歌仙「これは…。」
燭台切「別の意味で…。」
鶴丸「アウト、だな。」
えっ!?なにそれっ!!
青江「うん…かなり、色っぽいね。」
次郎「ホント、ホント!
所作が美しいよ、主!!」
亀甲「絵画のようですね…。」
加州「さっき贈った爪紅、絶対合うっ!」
『いや、そんな事は…。』
次郎「あるの!
もう、遠慮なく吸うんだよ?」
『まぁ、吸いたい時は。』
堀川「それより、気になる事が。」
和泉守「なんだ?国広。」
堀川「主さんの綺麗さでみんな忘れてるけど、長曽祢さんと間接キスだよね。」
全員「………。」
あぁ、そう言えば。
元からそういうの、意識してなかったから気にしてないけど。
蜂須賀「そこへなおれ、長曽祢。斬り捨てる。」
長曽祢「いや、蜂須賀?」
伽羅「………。」
いやいやいやっ!
伽羅も無言で抜刀するなっ!!
『いや、私の祝いの席でやめて。
血染めの誕生日なんて、トラウマだよ。』
次郎「はいはーい!
じゃ、次はアタシー!!
はい、主!アタシと言ったら、酒!酒と言ったらアタシ!!」
『おー!これは幻の銘酒じゃない!』
次郎「さすが、主!わかってるー!!」
『飲む時は、一緒にね。』
あ…
なんか、視界の端っこで長曽祢が倒れてる。
…見なかった事にしよう。
でも、今度煙管の扱い方を教えてもらわないと。
あ、陸奥守でもいいか。
燭台切「はい、主。」
鶴丸「伊達組一同からだ。」
光忠・伽羅・鶴丸・太鼓鐘だね。
『エプロンだ。』
シンプルなリネン素材の、着け心地良さそうなエプロン。
『これをつけて、美味しいの作るね。』
太鼓鐘「楽しみにしてる。」
伽羅「…手伝うからな。」
『うん。』
みんな、私の事を考えて用意してくれた…
私を気遣ってくれて、ゆっくりと馴染ませてくれて。
まぁ、だんだんと騒がしくなってきたけど。
それでこそ、うちの本丸だ。
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