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月の雫

第27章 特別な日


始まりは静かだった。
きっと、私がこの日をどう思っているか知っていたからだろう。
慣れるまでは、と考えてくれていたんだ。

信濃「一兄、そろそろいいか?」

一期「そうですね。」

前田「主、これは僕たち藤四郎からです。」

と、前田が箱を手渡してくれた。
かわいくラッピングされていて、そんなに重くはない?

『開けてもいい?』

後藤「どーぞ!」

丁寧に包みを解くと、五虎退が受け取って綺麗に畳んでくれた。
ゆっくりと蓋を開けると…

『クッキーだ…。』

平野「アイシングクッキー、です。」

“お誕生日・おめでとう!”

メッセージの他に、お花や星・スマイルなど様々なアイシングクッキーがぎっしり入っている。

鯰尾「僕たちの手作り!」

『えー!?
すごい…もったいなくて、食べられない…。』

乱「えー?食べてよー!
はい、あーん。」

『えっ!?むぐっ。』

ハートのアイシングクッキーを、口に押し込まれた。

乱「それは、僕が作ったの!」

甘い…
優しい味がする…

薬研「あーあー、また泣いてるし。」

『ごめっ…美味しいよ、乱。
みんなのも、ゆっくり味わっていただくからね。』

骨喰「賞味期限が長いから、大丈夫だ。」

『ん…。』

鯰尾と骨喰の頭を撫でる。

『ありがとう、藤四郎のみんな。
メッセージのは一期でしょ?
…ありがとう。』

一期「…はい。」

『…ありがとう。』

一期の頭も撫でる。
藤四郎をまとめるの、大変だったろうに…

五虎退「あの、あるじさま…。」

『おいで、五虎退。
みんなも。』

一人一人の頭を撫で、目を見てお礼を伝える。

薬研「気持ち、込めたからな。」

ちゅっ。

『Σ!!』

薬研だけ、頬にキスしやがった。

乱「あー!薬研、ずるーいっ!!ぼくもっ!!」

はい、お決まりのパターンで。
藤四郎みんなで頬にキス。
いつもと違ったのは…
一期も混ざっていた事。

『いっ、一期!?』

一期「私も、藤四郎ですからね。」

珍しい…
いつもは我慢してたのかな?

加州「はいはーい、次は俺ねー。」

大和守「俺もでしょー。」

加州「俺達からは、こーれ。」

大和守「開けてみて。」

『うん。』

中にはマニキュアと、お揃いの口紅が。
少し霞んだピンクが、派手すぎなくて好み。



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