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月の雫

第27章 特別な日


ー月胡ー

『では、失礼します。』

時間内に終わったけど、ギリギリだったな。
仕事がついでみたいに言ってたけど、かなりガッツリ詰め込まれた…。

翡翠「あ、月胡。
これ、プレゼント。」

『…ありがとう。』

気持ちは嬉しいから、素直に受け取る。

翡翠「今年は月胡の好きなミルクチョコにしたよー。」

『コーヒーと、いただくね。』

初めの頃はいろいろと思考を凝らしてくれたけど、最近は私の好きなご褒美スイーツを贈ってくれる。
…翡翠が居なかったら、誕生日すら忘れていたかな。

三日月「さ、帰ろうか。」

『はい。』

宗近にエスコートされ、本丸へと帰る。

小夜「おかえりなさい、主。」

蛍丸「おかえり。」

『ただいま、小夜・蛍丸。』

小夜「こっちに来て。」

蛍丸「来て。」

『えっ!?あの、荷物…宗近っ。』

三日月「…。」

宗近に救いを求めたら、黙って微笑み返されて…
二人に手を引かれて来たのは、広間。

蛍丸「開けるよ。」

『う、うん。』

小夜と蛍丸が広間の襖を開くと…

長谷部「おかえりなさい、主。
そして、お誕生日・おめでとうございます。」

全員「お誕生日・おめでとうございます!」

長谷部の言葉に、みんなが続いて言った。

『えっ…知ってたの…?』

三日月「大切な日、だからな。」

『大切…?』

髭切「この日がなければ、僕たちは存在しなかった。」

膝丸「兄弟や仲間に会えなかった。」

蜂須賀「自由を与えられなかった。」

太鼓鐘「…永遠に続く闇の中から出られなかった。」

和泉守「…過去を乗り越えられなかった。」

みんな…

太郎「そして何より、月胡。
…貴女に出会えなかった。」

ダメ…泣く…

薬研「…もう、俺たちには欠かす事が出来ない。」

宗三「替えもきかない。」

陸奥守「わしらの一部なんじゃ。」

『みんな…。』

乱「もー、ホントに泣き虫!」

厚「お前もな。」

乱「厚、うるさいっ!」

短刀達が私を囲むように抱き締めてくれた。

伝わったよ…
この日が大切なんだって。
意味のある日なんだって。

『ありがとう…みんな、ありがとう。』

千子「さっ、こちらへドウゾ。」

蜻蛉切「宴を始めましょう。」



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