• テキストサイズ

月の雫

第3章 賑やかな日々


『改めまして、当本丸へようこそおいで下さいました。』

髭切「うん。」

膝丸「ありがとう。」

大きく深呼吸して、話し始める。

『今回、御二方の顕現は政府からの指定で私の力を試すためのものでした。
ですが、私は貴方達に会いたかった。
その気持ちに嘘はありません。
心から望んで鍛刀し、顕現しました。
それだけは、信じてください。」

髭切・膝丸「……。」

沈黙が痛い。
やはり、簡単には信じられないか…

髭切「そうだよね。」

膝丸「わかっているぞ?」

『え…!?』

どういう事!?

髭切「資材を選ぶ所から、ちゃんと想いを込めてくれたじゃない。」

膝丸「温かい想いが伝わっていた。
主が俺達を心から迎えようとしてくれた事が。」

『髭切…膝丸…』

髭切「かなりの重圧だったよね、僕達を顕現出来なかったらこの本丸がどうなるかわからなかったんだもの。」

『そこまで?』

膝丸「主が顕現したんだ。
主の…月胡の気持ちは伝わる。」

髭切「特に、僕達は君の霊力と相性が良いようでね。
繋がりも強いようだよ。」

『そう…なんだ…。』

膝丸「おそらく、何処かで縁が結ばれているのだろうな。」

縁が結ばれていた…

髭切「だから、この出会いは必然なんだよ。
ごめんね、僕の発言で不安にさせてしまったようだ。」

膝丸「そうなのか!?兄者!!」

髭切「だから、ごめんて。
僕達より先に出会った刀剣達に、妬けたんだもん。」

そういう事だったのか!
わかっていて、試したな!!

『タチが悪い…。』

髭切「それだけ、月胡の事が気に入ったんだよ。」

膝丸「それは認めるが、あまり月胡をいじめるなよ。」

髭切「いじめても、傷付ける事はしないって。」

『いじめるんだ。』

なんだか、二人とのやり取りが心地よくなって来た。
良かった…
義務で仕方なく顕現したと思われてなくて。

髭切「大丈夫、愛のあるいじめだから。」

膝丸「そんなもの、あるか!」

『お手柔らかにね、髭切。』

髭切「任せておいて。』

膝丸「いや、任せられるか!」

『髭切にいじめられたら、膝丸が慰めてくれるんでしょ?』

膝丸「もちろんだ!
それ以前にいじめさせない。」

頼もしい。
いいコンビじゃないか。
きっと、本丸に良い風をよんでくれるだろう。



/ 274ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp