第26章 新たな仲間
ーothersー
その頃
広間に刀剣達が集まっていた。
三日月「…そんな事があったのか。」
当時の事を知っている大典田がみんなに説明していた。
鶴丸「…俺は、馬鹿だな。」
部屋から出る事を禁じられた鶴丸だが、宗近に許可されて同席していた。
月胡の事を心配ているのは同じだろうから、と。
伽羅「…主が落ち着いたら、詫びればいい。」
燭台切「そうだね。
僕も一緒に行くよ。」
一番に謝らなければならない亀甲にはすでに済ませていた。
亀甲も刀剣だけあって、軽い擦り傷程度で済んでいる。
だから、月胡があれほど怒りを露わにしたのが不思議だったのだ。
髭切「…月胡は優しすぎる。」
膝丸「それが、月胡なんだがな。」
みんな、優しい顔をしていた。
いつも、相手を思いやる月胡が誇らしかった。
それと同時に、傷ついてる心を癒してあげたかった。
“もう、大丈夫だよ。”
“月胡を傷つける者は居ない”
“何があっても自分達が護るよ”
どうしたら、月胡に伝えられる?
言葉より確かなもので、安心させられる?
大典田「そういえば。
間もなく月胡の誕生日だな。」
乱「そうなの!?」
五虎退「知らなかったです…。」
加州「ねぇ、みんなでサプライズしようよ。」
今剣「いいですね!
盛大にお祝いしましょう!!」
岩融「それがいい。」
燭台切「料理は任せて。」
陸奥守「贈り物は、各自でええがか?」
歌仙「そうだね。」
次郎「酒は任せて!」
前田「じゃ、僕たちは飾り付けをしよう。」
一期「では、藤四郎でやろうか。」
蜂須賀「派手さよりも、温もりが感じられるものにしたいな。」
浦島「そうだな、俺たちの気持ちが伝わるように。」
物吉「主さんに笑顔をお届け出来る様に。」
小夜「…。」
江雪「どうしました?小夜。」
小夜「それもいいけど…今、一人で苦しんでいる主を何とかしてあげたい。」
少し浮かれていたみんなの顔が、真顔になった。
1人にしてくれと言われたが、本当に一人にして良かったのだろうかと。
亀甲「ぼくが行ってくるよ。」
今回は当事者の亀甲が適任だと皆が納得した。
光忠がお茶菓子を、鶯丸が茶をたてた。
それを持って亀甲は月胡の私室へと向かった。
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