第26章 新たな仲間
免許は合宿で一気に取る。
運転するのは私のいた時代だから、そこのルールに従い免許証は政府管轄の物にするそうだ。
何かあった時に、政府の問い合わせれば済むように。
さすが、翡翠。
抜け目ない。
翡翠「おーい、月胡ー。」
何で来る?
『予告なしで来るか?』
翡翠「俺と月胡の仲じゃない。」
『…。』
翡翠「やめて、その目。地味に傷つく。」
『何の用?』
翡翠「新たな刀剣を届けに来た。」
これまた、いきなり…
ま、刀剣は大歓迎たが。
『顕現すればいいの?』
翡翠「いや、もうしてある。
…月胡のよく知ってる刀剣だよ。」
私のよく知ってる刀剣?
…そんなの、あった?
翡翠「入っておいで。」
?「失礼する。」
えっ!?
『光兄さん!?』
大典田「久しいな、月胡。」
『えー!?
光兄さん、刀剣だったの?』
三日月「大典田光世、天下五剣が一つだな。」
『ええー!?
だって、私が居た屋敷の庭師だったじゃない!』
そう。
光兄さんは幼い頃に過ごした屋敷で庭師をしていた。
いつも綺麗に整えてくれて、時々部屋に花を持ってきてくれて。
愛想はないけれど、いつも寄り添っていてくれた。
翡翠「月胡を護る為に配属されていたんだ。
ずっと、政府預かりだったが本人たっての希望で月胡の本丸へ配属が決まった。」
大典田「よろしく頼む。」
『こちらこそっ!
…ようこそ、当本丸へ。
主の月胡と申します。』
大典田「…今更、だな。
改っても、月胡がしてきた悪戯や悪態ついていたのは忘れぬぞ。」
『忘れてっ!!』
せっかく、ビシッと決めたのにっ!!
翡翠「コントはいいから、さっさと契約しな。」
翡翠に言われると腹が立つのは何故だろう。
大典田「殺気をしまえ、月胡。
全く…変わらないな。」
『…おかげさまで。
…大典田光世、手を。』
大典田「あぁ。」
差し出された右手を私の両手で包み込む。
『大典田光世。
貴方を私の刀剣とする。』
大典田「謹んで。」
キンッ!
翡翠「はい、契約完了。」
『それにしても、なんで今なの?
最初から来てくれたらよかったのに。』
大典田「月胡が落ち着くまでと思ってな。
…なかなか、落ち着かないようだが。」
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