第3章 賑やかな日々
ー月胡ー
昼食は執務室で摂り、午後になると約束通り今剣と小夜が来た。
『…で。
何故に髭切も?』
髭切「ここの出入は自由だと聞いてね、お邪魔させてもらったんだ。」
まぁ、いいのだけれど。
『退屈ではないですか?』
髭切「ちっとも。
あ、僕のことは気にしないで。」
…気になりますよ、かなり。
でもまぁ、いいか。
髭切は自由にさせておき、今剣と小夜の遊び相手をする。
二人は絵本が気になるようで、読み聞かせる事に。
今剣「くれよん…とはなんですか?」
『絵を描くものだよ。
今度、万屋で買ってこようか?』
今剣「はい!」
『小夜は?』
小夜「いいの?」
『うん。
じゃ、一緒に行こうね。』
小夜「うん。」
薬研「今剣、小夜。
ちょっと、いいか?」
と、薬研が二人を呼びに来たので部屋に髭切と二人きりになってしまった。
どうしよう?
とりあえず、お茶でも淹れようか。
髭切「ねえ、月胡。」
『なんですか?』
髭切「なんで、敬語なの?
三日月やあの子達には使ってないのに。」
『あぁ、不要だと言われたので。』
髭切「じゃ、僕にもいらないよ。
弟の…えーっと……。」
『膝丸さま。』
髭切「そうそう、膝丸にもね。
もちろん、呼び捨てだよ?」
本人の了承なしでいいのか?
なんだか、掴みどころのないマイペースな方だ。
『では、遠慮なく。
お茶、どうぞ。』
髭切「ありがとう。」
優雅にお茶お飲む姿は、緑茶よりも紅茶が似合いそうだな…
王子的な、アフタヌーンティーとか。
髭切「月胡はさ。」
『はい?』
髭切「政府に言われなくても、いつかは僕を呼んでくれたかな?」
!!
宗近に言われた事を気にしているのか?
…そうだよな。
あんな風に知らされたら、気になるよね。
『膝丸も呼んできていい?』
髭切「?うん。
じゃあ、僕が連れてくるよ。」
ちゃんと、話さなくては。
ダメだな、私は。
気をつけなければならない所なのに、気が回らなくて。
髭切と膝丸を傷つけてしまう…
髭切「連れて来たよー。」
膝丸「どうした?主。」
『こっちに座って。』
テーブルの所に二人並んで座ってもらい、私は向かい側に座る。
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