第25章 二人きりの時間ー膝丸ー
ー月胡ー
翌日は、三人で楽しむ事になった。
髭切が膝丸を帰らせるかと思ったけど、何も言わずに一緒に居る。
『今日はもう一つのパークへ行こう。』
髭切「わかった。」
膝丸「楽しみだな。」
お二人とも、本日も麗しい…
そんな二人にサンドイッチされて歩くのは、なんとも緊張する。
目立たないように術をかけているとはいえ、このキラキラ王子達を見ないわけがない。
カメラを向けられたら、邪魔が入るようにはしてあるけど…
向けるよねぇ。
髭切「月胡、外野は気にしない。
僕達だけに集中してよ。」
膝丸「そうだぞ。
許可証のおかげで、邪魔はされないのだから。」
『そうだけど…。』
髭切「優越感に浸っていなよ。
こんな、男前二人にエスコートされてるんだから。」
あ、ご自分でおっしゃいますか。
まぁ、事実。
本の中から飛び出してきたようなお二人。
タイプは違うけど、王子様だ。
髭切→もう、“プリンス”って感じ
膝丸→ナイト的な王子様
だもんなぁ。
髭切「…ていうか、気づいてないの?」
『なにが?』
膝丸「俺たち三人で、注目されているのだぞ?」
『私も!?』
髭切「そう。
僕達とお似合いのお姫様。」
膝丸「さぁ、参りましょう。」
二人に手を引かれ、さらなる非現実な世界へと入り込んだ。
こちらのパークでも、ノープランで楽しむ。
目についた物に乗ったり、食べたり。
辺りが暗くなり始めてから、やっと時間に気づくくらいに夢中で。
髭切「じゃ、僕は先に本丸へ帰るよ。」
『えっ!?』
髭切「そう決めていたんだ。
初日は僕。
月胡が思い出したら、最終日は弟にって。」
『そうだったの…。』
膝丸「今回でダメだったら、俺の時にそうする予定だった。」
髭切「勝手に決めて、ごめんね?」
膝丸「兄者とは、対等な関係でいたいんだ。」
『そうだったの…
なら、また一緒に過ごす日を設けないとね。』
髭切「…縁を思い出してくれたから、不安もない。
だから、次は他の刀剣を連れてきてあげて。」
『髭切…。』
私が思い出した事で、こんなにもおおらかで居られるなんて。
髭切「じゃ、後は頼んだよ。膝丸。」
膝丸「…あぁ。」
そう言うと、迎えにきた翡翠と共に髭切は帰ってしまった。
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