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月の雫

第24章 二人きりの時間ー髭切ー


髭切「隙あり。」

『もう…。』

髭切「…やっと、二人きりになれたね。」

『明後日までは、ね。』

髭切「もう、つれないなぁ。」

髭切の色気にドキドキして、それを誤魔化してるんだよ。
もう少し、そのフェロモンをしまっておいてくれないかな…

『さ、行くよ!』

髭切「はーい。」

政府の地下駐車から、地上に出る。
今回も天気に恵まれたようだ。

髭切「ここが月胡の育った時代かぁ。」

『どうかな?』

髭切「建物が高くて、密集しているね。
人も乗り物も、すごく多いんだね。」

『ここは都市部だからね。
本丸みたいな雰囲気の場所も残ってるよ。
でも、今回はこんな風景が続くかな。』

髭切「新鮮でいいよ。
そうそう、言い忘れてたんだけど。」

『ん?』

髭切「今日の月胡は、一段とかわいいよ。
僕のために、オシャレしてくれて。」

もー。
なんだって、激甘なんだろうか。
開始早々、とろけてしまうよ。

でも、実際そうなんぁよな。
髭切に見合うように選んだ服とメイク。
気づいてくれて、嬉しい…

髭切「それに、運転も上手なんじゃない?
他の人の運転には乗った事ないけど、スムーズだよね。」

『そう?
…大切な人を乗せてるからね、安全運転するよ。』

髭切「…それ、僕のこと?」

『他に居る?』

髭切「…それだけで、今回の旅行に来た甲斐があるよ。」

『早いよ。
まだまだ、これからでしょ?』

髭切「そうだったね、始まったばかりだ。」

そう、これからだよ。
あのテーマパーク、髭切にすごく似合うと思う。
お城とか、いろんなテーマのエリアがあるから。
今日は古くからある方で、明日は海のエリアに行く予定。
私も、軟禁生活から解放された時に来て以来だからワクワクしてる。

髭切「月胡も、楽しみなんだね。」

『うん。
家族や恋人、友人同士でも楽しめるからね。』

髭切「初めてじゃないんだ?
前は誰と行ったの?」

『外に出られるようになった時に担当していた政府の女性職員。』

姉のように接してくれた、思いやりのある方だった。
今はもう、寿退職して二児のお母さんだと聞いた。
きっと、素敵な妻であり母親になっている事だろう。


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