第24章 二人きりの時間ー髭切ー
ー月胡ー
いよいよ、髭切との休暇だ。
今回はテーマパーク。
ホテルも併設されている所にした。
政府施設からホテルまでを車移動とし、髭切のリクエストに応えた形に。
髭切「月胡、準備はできてるかい?」
『出来てるよ。』
…。
髭切、何着てもサマになるなぁ。
シンプルな服装だけど、スタイルと品の良さがダダ漏れ。
テーマパークの空いてる時期にしたから、大丈夫だとは思うけど…
今回も注目されそう。
宗近の時のように、馴染むように術をかけておかないと。
髭切「さっ、お手をどうぞ。」
『うん。』
今日はシャッキリしてる。
張り切ってるなぁ。
荷物も持ってくれてるし、エスコートもばっちり。
翡翠「いらっしゃーい。」
『…なんだか、疲れてる?』
翡翠「おー。
誰かさんが、審神者制度の見直し要求なんて出して来たからね。」
『今まで問題なかったのが不思議だ。』
そう。
この間の件で、がっつり苦情と改善案を出してやったからな。
翡翠「何人か、摘発される前に退任した者もいる。」
『…刀剣は?』
翡翠「刀解以外で、彼らの望むようにしている。」
…良かった。
心と身体の傷が癒えるまで、ゆっくりしてもらいたい。
翡翠「そのうち、お前の本丸で湯治なんてのも始まるかもな。」
髭切「そうしたら、錬結や習合を望む刀剣が増えるね。」
『断言?』
髭切「月胡に会ったら、そうなるよ。」
そうかなぁ?
髭切「でも、その話はお終い。
時間がもったいないからね、出発しよう。」
『そうだね。
翡翠、許可証と車の鍵ー。』
翡翠「はいはい。気配も大丈夫だな。
気をつけて。」
『はーい。』
髭切「いってきます。」
翡翠「髭切が…俺に言った、だと?」
うん、びっくりするよね。
それくらい、彼は浮かれているようだ。
髭切「これに乗るのかい?」
『そう、私の愛車。
荷物はこっちに、髭切は前に座って。』
髭切「わかった。」
『座ったら、このベルトをしてね。』
髭切「こう?」
ちょっと、違うな。
『こうだよ…わあっ!』
油断した。
髭切のベルトを見てあげようとしたら、抱きしめられた。
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