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月の雫

第23章 いろんな選択


『…温かい。』

千子「…えぇ、本当に。」

やっと、村正が私に触れてくれた。
葛藤していたんだね。
妖刀と呼ばれる自分が、私に触れていいものかと。
ずいぶんと弱気な妖刀さんですな。

千子「ありがとう、主。
さっ!脱ぎましょうか!?」

蜻蛉切「脱ぐな。」

千子「邪魔しないでくだサイ、蜻蛉切。」

邪魔しなかったじゃない。
村正がこの部屋に入ってすぐ、外から蜻蛉切の気配がしたもの。
村正も分かっていて、ふざけたな。
…照れ隠しみたいだけど。

『蜻蛉切も一緒にコーヒー、飲みましょう。』

蜻蛉切「ありがとうございます。」

いつも誰かが、誰かを想ってる。
一方通行じゃなく、相互に。
繋がって、絡まって。
この本丸は形成されて行く。
それはきっと、幸せの形で、私の理想。
誰にも触れさせない。
何者にも侵させない。

それが、“私”の存在理由。
幸せな縛り。

わかったか?時間遡行軍。
私に揺さぶりは無意味だよ。
もちろん、他の行為も。
それでも挑んでくるなら…

徹底的にやってやる。
潰してやるから、覚悟して来い。

私の覚悟は、揺るがない。



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