第23章 いろんな選択
時間が遅くなり、みんなが部屋に戻って行く。
…あれ。
和泉守、本当に放っとかれてる。
私が言ったからだよな…
仕方ない、かけるものくらい持ってきてやるか。
客間から掛け布団を出し、和泉守にかけてやる。
…下戸なくせに呑むから。
普段は見せない、あどけない寝顔。
なんだか、かわいい。
和泉守「うー…ん。」
かばっ!!
『わっ!』
和泉守に押し倒された。
…というか、隣に引き摺り込まれて抱き枕にされてる。
和泉守「主ぃ…。」
『なに?』
和泉守「………。」
寝言か。
私に何か言いたい事でもあるのかなぁ。
それとも、土方さんか。
にしても…動けない。
朝までこのまま、かぁ。
堀川「兼さ……。」
『あ、堀川。』
堀川「なにしてんの、兼さんっ!!」
そんな大声出したら…
長谷部「何事だっ!?…主っ!!」
『おー。』
蜂須賀「どうしたの………。」
蜂須賀、無言で刀に手をかけるな。
石切丸「何事だい?…あらら。」
小夜「…復讐、する?」
いやいや、小夜。
違うからね。
あーあー、みんな来ちゃったよ。
堀川「兼さん、起きてっ!
ちゃんと説明しないと、斬られちゃうよっ!」
和泉守「んー?」
いつの間にかそろっていた我が刀剣達にぐるりと囲まれる和泉守。
和泉守「おわっ!?なんだよ、みんなして!」
陸奥守「自分の胸に手ぇ当てて、考えてみぃ。」
和泉守「はっ!?って、うわっ!なんで主がいんだよ?」
……。
酒は飲んでも飲まれるな、の典型だな。
燭台切「大方、布団をかけてくれた主を寝ぼけて引き摺り込んだってところかな。」
『正解。』
伽羅「………。」
伽羅が引っ張り出してくれた。
そうだよ、まずは助けなさいって。
『ありがとう、伽羅。』
伽羅「あぁ。」
和泉守「なんだ?どう言う事だ!?」
加州「だから、燭台切が言ってた通りでしょ?」
和泉守「俺が…主を?」
口を押さえて、赤面する和泉守。
さすがに、かわいそうになってきたぞ。
『故意じゃなかったんだから、そんなに騒がないの。』
長谷部「しかしっ!!」
『じゃ、和泉守は当分の間禁酒ね。
それで良い事にしよう。
私は気にしてないから。
さ、明日は休暇日にしたんだからゆっくりしてねー。
はい、解散!』
みんなを広間から追い出し、自分も部屋へと戻る事にした。
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