第22章 優先
三日月「おかえり。」
『宗近。』
三日月「[乱]は広間で休ませている。
落ち着くのは皆が来てからにしたいそうだ。
あと、月胡の支度だ。」
『ありがとう。愛染達は?』
愛染「準備、出来てるぜ。」
髭切「忙しいね。」
膝丸「暇よりいいだろ、兄者。」
髭切「まぁね。」
伽羅も居る。
明石と蛍丸の準備も整ったようだ。
[乱]「月胡さまっ!」
広間の方から[乱]さんが走って来た。
『はい?』
[乱]「本丸のみんなは、僕が月胡さまに助けを求めに行く事を知っています。
なので、攻撃はしませんので。」
『わかりました。』
[乱]「みんなを、よろしくお願いします!」
『はい。』
ならば、拘束するのは審神者だけでいいな。
『翡翠。』
翡翠「審神者・月胡に違反本丸の討伐を任命する。」
『承ります。…いざ、出陣っ!』
すぐ、助けるからね。
違反本丸には[乱]の他に
・薬研藤四郎
・五虎退
・藤田藤四郎
・秋田藤四郎
・厚藤四郎
・信濃藤四郎
・今剣
・小夜左文字
・平野藤四郎
が居る。
よくもまぁ、短刀ばかり。
他の刀は…折られたのか、刀解されたのか。
髭切「月胡…ダメだよ。」
膝丸「落ち着いて。」
『…うん。』
夜叉になりそう。
なんだって、こんな本丸があるんだよ。
『翡翠…後で話がある。』
翡翠「…お手柔らかに。」
出来るかっ!
十歩譲って、時間遡行軍に操作されたのならまだ仕方ない。(つけいられる隙があったのは駄目だが)
今回のや蜂須賀達の時の審神者は完全に政府のミスだ。
許されない。
私にじゃ、なく。
刀剣たちに。
明石「完全に、キレとりますなぁ。」
愛染「あぁ…。」
蛍丸「…優しいから、主は。」
そんなんじゃ、ない。
ただのエゴかもしれない。
伽羅「主。」
『なに?』
伽羅「約束、守ってくれてありがとう。」
『…うん。』
伽羅「今度は、[乱]との約束を守りに行くぞ。」
『…そうだね。』
そうだった。
今はそんな事よりも、目の前の本丸を救わないと。
『ありがとう、伽羅。
…じゃ、行こうかっ!』
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