第3章 賑やかな日々
ー三日月宗近ー
髭切「ずいぶんと過保護なんだね。」
「月胡は昨日、ここの主になったばかりでな。
色々と教えている所だ。」
髭切「へー。君がねぇ。」
膝丸「兄者。」
相変わらずな髭切と膝丸に、懐かしいような気持ちもあるが今は…
正直、羨ましいと思っている。
鍛刀した刀を受け取った時、月胡は慈しむように大切に触れた。
それを見て、俺にもそんな風に触れて欲しいとおもってしまったんだ、
昨日会ったばかりだと言うのに。
髭切「それにしても、気持ちのいい所だね。」
膝丸「そうだな。主の霊力が満ちている。」
…それは、そうだろう。
お主達は月胡に顕現されたのだ、俺達以上にここの空気は合うだろう。
そんな事も、面白くない。
二人に本丸を案内しながら、ここでの生活の仕方なども教え広間へ来ると、短刀達が集まっていた。
薬研「お、三日月の旦那。
そちらが…。」
「あぁ、そうだ。
髭切と膝丸だ。」
厚「すげーな!やってのけたのかよ、主。」
乱「ホント、すごい!
ようこそ、髭切さま、膝丸さま。」
それぞれが挨拶し終わり、気になっていた事を聞く。
「で、お主達は何をしているのだ?」
何やら色紙で工作しているようだが。
今剣「こんや、主さまの歓迎会をしようって事になったので、ぼくたちでかざりを作っているんです。」
厚「主に内緒でな。
燭台切と大倶利伽羅がご馳走作ってる。」
薬研「もちろん、髭切・膝丸の旦那達のもな。」
小夜「だから、午後は主が広間に来ないように僕と今剣で引き付けておく。」
「なるほどな。それは、大役だなぁ。
しっかり励めよ?」
今剣・小夜「「はいっ!」」
「と、いう訳だ。
髭切と膝丸も夕刻まで好きに過ごすといい。
明日からの事は、俺と主で考えておこう。」
髭切「そうかい?よろしく頼むよ。」
膝丸「よろしく頼みます。」
さて…
昼食までの時間は、俺が独占させてもらおうか。
これも、近侍の特権だ。
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