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月の雫

第22章 優先


ー月胡ー

コツコツと任務をこなす日々が続いていた。
本丸のみんなが私についてきてくれると言ってくれて、結界も強化できた。

いつ仕掛けてくるかわからないけど、こちらの準備も整いつつあった。

明石「主はん、おりまっかー?」

『おりますよー。
どうしたの、明石。』

明石「ウチの子たち、主はんと出かけたい言うてましてなぁ。
どうでっしゃろ?」

『うん、区切りがいいから行けるよ。』

明石「おおきに。
ほな、支度して玄関で待ってますわ。」

『はーい。』

三日月「息抜きにちょうど良かったな。」

『そうね。』

明石はぼーっとやる気のない風だけど、周りをよく見ていてベストなタイミングで声をかけてくれる。
なかなか、侮れない。

『じゃ、ちょっと行ってきます。』

三日月「気をつけてな。」

明石達が一緒だから、あまり心配はしていないようだ。
すんなりと送り出してくれた。

『お待たせー。』

愛染「ありがとな、主!」

蛍丸「いっしょに甘味、食べよ。」

『うん!』

以前、宗近が連れて行ってくれた甘味処にしよう。
この界隈では一番だし、その割に空いていて落ち着くから。

どんっ!

『おっと。』

甘味処の前に来たら、誰かとぶつかってしまった。

『ごめんなさい、どこか怪我は?』

ぶつかってしまった相手は乱だった。
他の本丸の、だが。
手を差し伸べた時、彼の腕に傷があるのに気づいてしまった。

『明石。』

明石「はいはい。」

勘のいい明石にはそれだけで伝わった。
愛染と蛍丸も、私の気配を察してくれたようだ。

『怪我を確認したいから、そこの甘味処へご一緒していただけますか?』

[乱]こくん。

[乱]は黙って頷くと、一緒に来てくれた。
これは、もしかすると…

明石が手配してくれた甘味処の座敷に入り、結界を張る。

『もう、大丈夫ですよ。』

[乱]「審神者の月胡様とお見受けします。」

あたり、か。
私と分かっていて、わざとぶつかってきたんだ。

『そうです。
…まず、甘いものをいただきましょう。』

人数分のあんみつとお茶をもらい、まずは落ち着く事に。

『明石・愛染・蛍丸、ごめんね。
付き合ってもらえるかな?』

蛍丸「当たり前。」

愛染「俺達は優先順位を間違えたりしない。」

明石「ですわ。」



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