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月の雫

第21章 絆


チリッ。

指先に電流が走った。
やはり、長い時間は居られないのか。

『っ。』

堀川「主さん?」

『そろそろ、タイムリミットだ。』

大和守「ダメじゃん!
すぐ、本丸に帰ろう!!」

長曽祢「あぁ!」

バタバタと支度を整え、本丸へと帰った。

本丸の門をくぐったとたん、体の力が抜けて倒れそうになった所を…

石切丸「おっと。」

出迎えてくれた石切丸に支えられた。

石切丸「大丈夫かい?」

『ありがとう。』

離してもらおうと思ったら、そのまま横抱きされた。

石切丸「執務室までお連れしましょう。」

『えぇっ!?大丈夫!恥ずかしいしっ!』

石切丸「…月胡?」

『よろしくお願いします。』

怖いオーラを出さないで下さい。
弱いんだよなぁ、石切丸に怒られるのは。

『あ、出陣したみんなはもう休んで。
報告は明日でいいから!』

和泉守「あ、主!」

『ん?』

和泉守「…ありがとう。」

『…うん。』

私の方こそ、ありがとう。

石切丸「ソファーでいいかな?」

『うん。
…ごめんなさい、石切丸。』

石切丸「いや、今回は謝らないで。
…ありがとう、月胡。
いつも、私たちのことを大切にしてくれて。」

『そんなの…当たり前じゃない。』

石切丸「…そうでもない事を、月胡はもう知っているはずだよ?
月胡以上に私達を大切にしてくれる存在は、いないと言い切れる。」

「石切丸…。」

石切丸「もう、遅い。
ゆっくりと休むんだよ?
それと、明日の祈祷は休む事。
私を信じて、任せてくれないか?」

そこまで言われたら、行けないな…

『わかりました、お願いします。』

石切丸「うん。
では、おやすみ・月胡。」

『おやすみなさい。』

三日月「ふむ…
言いたい事を全て、言われてしまったな。」

『宗近も同じなの?』

三日月「あぁ。」

お茶を持って、私の隣に座った。

三日月「温まってから休め。」

『いただきます。』

受け取ったお茶を飲むと、身体の中から温まる。

…迎えに行った時。
和泉守たちの辛い気持ちも分かったけど、同時に温かい気持ちにもなった。

『ねえ、宗近。』

三日月「なんだ?」

『少し、話をしてもいい?』

三日月「もちろんだ。
…かけるものを取ってくる。」

『ん。』



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