第21章 絆
ー月胡ー
こんのすけから、ついに土方歳三が弁天台場へ向かったと聞いたら居ても立っても居られなくなった。
『迎えに行ってくる。』
三日月「大丈夫、だな?」
『時間遡行軍は消えた。
油断はしないが、今回はこれ以上の事は無いだろう。』
三日月「…わかった、行ってこい。」
宗近がぎゅっと私を抱きしめた。
三日月「気をつけてな。」
『ありがとう。』
私も宗近に腕を回して、抱きしめた。
『いってくる。』
宗近から離れ、和泉守たちの元へ向かう。
こんのすけに座標を送ってもらい、移動する。
桜吹雪が収まると、目の前で和泉守と堀川が崩れ落ちている。
長曽祢たちに笑顔で応え、二人を抱き締める。
和泉守「主…。」
堀川「来て…くれたんですか?」
『…うん。迎えに来たよ。』
和泉守「主…ある…じ……。」
堀川「うっ…あっ…。」
二人が肩に顔を埋める。
がんばったね…
ちゃんと、見守ったんだね。
土方さんの誇りを、見届けたんだね。
『ありがとう、和泉守・堀川。
…ありがとう。』
私にしがみつく腕が強くなる。
大丈夫だよ、私は居なくならないから。
何があっても、生き延びてやるからね。
蜂須賀「主。」
『…みんな、おいで。』
蜂須賀・長曽祢・加州・大和守が私達を囲むように、抱き締めてくれた。
『蜂須賀・長曽祢・加州・大和守。
ありがとう。』
彼らにとっても、辛いものだったろう。
それなのに、二人に寄り添い見守ってくれた。
ーありがとうー
どれくらい、そうしていただろうか。
和泉守と堀川が落ち着き、目の腫れた顔を上げた。
『近くに川があったから、顔を冷やそうか。』
長曽祢「それがいい。」
河原に移動し、二人が目を冷やす。
いつもなら軽口を言いそうな加州も、一緒に手拭いを冷やしていた。
加州「はい、主。」
『えっ!?私に?』
大和守「主の目も腫れてるよ。」
うそ…
一緒になって泣いてたのか…
気づかなかったよ…
蜂須賀「自分の事はそっちのけなのは、主らしいね。」
『お恥ずかしい。』
加州に手拭いをもらい、目に当てる。
冷たくて…気持ちいい…
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