第21章 絆
ー月胡ー
三日月「…いいのか?」
『…和泉守は彼の最期には共に居られなかった。
心残りがあるのなら…無念があるのなら、乗り越えて欲しい。』
三日月「そうだな。」
こんのすけ「主さま、出陣の準備が整いました。」
『ありがとう、今行きます。』
玄関へ行くとそこには
・和泉守兼定
・堀川国広
・蜂須賀虎徹
・長曽祢虎徹
・大和守安定
・加州清光
が戦装束で待っていた。
『…良いのですか?』
揃いも揃って、新選組。
みんな、それぞれに思う所があるのか…
和泉守が心配なのもあるんだな。
堀川「…共に見届けて来ます。」
蜂須賀「俺は監視役だ。
…安心してくれ、主。」
『任せましたよ、蜂須賀。』
大きく深呼吸し…
『和泉守以下五名。
歴史改変の阻止を命ずる。』
和泉守「…行ってくる。」
門をくぐり、消えていく彼等の無事を祈る。
身体も、そして心も。
『こんのすけ。
彼等と共に行き、逐一報告を。』
こんのすけ「かしこまりました。」
本当は共に行きたいが…
時間遡行軍の動きが読めない。
ただの歴史改変か、私を誘う罠か。
慎重に動かなければならない。
『…執務室に戻る。』
三日月「わかった。」
私は、私の仕事をして彼等を護る。
端末で検非違使や時間遡行軍の動きを探る。
今回、検非違使の出る気配はない。
時間遡行軍も、他の動きはないようだ。
本丸にも異常なし。
三日月「そうそう、直接手は出せぬようだな。」
『うん。』
なら、和泉守達を信じていれば良い。
彼等なら、大丈夫。
和泉守達が行った刻と、こちらの刻は流れる速さが違う。
もう、あちらでは幾日か過ぎているようだ。
函館戦争…
土方歳三、最期の地。
堀川は最期まで共に居たが…
また、同じ想いをして大丈夫なのだろうか。
和泉守は…冷静で居られるのだろうか。
ポーン
こんのすけから入電だ。
今の所、歴史に異常なし。
みんなも怪我なく戦っているようだ。
順調なら、そろそろ…
三日月「月胡、もう休め。」
『うん……。』
ダメだ、気になって…
『宗近、先に上がりなさい。
私は…終わるまで起きている。』
三日月「…ならば、俺も居よう。』
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