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月の雫

第20章 うんともすんとも


鶴丸「…なにか、あったか?」

『えっ…?』

鶴丸「以前より少し、大人びた。」

『歳をとったのかな?』

鶴丸「誤魔化さないでくれ。
俺も今は、ふざけていない。」

うん…真剣だよね。

『ごめん、茶化して。
…覚悟を決めないといけない刻が迫って来たから…かな。』

鶴丸「…そうか。」

顎から手が離れたかと思ったら、鶴丸は机をヒラリと飛び越えて私の背後に回ると抱き締めて来た。

鶴丸「…俺は、主の考えならばどんな事でも受け入れる。」

『…ありがとう。』

きっとそれは…私が誰を選んでも、という意味も含んでいる。

『ホント、ここの子達は頼りになる。』

鶴丸「…これでもずいぶん長く生きているんだがな。
主にかかると、そうなるのか。」

『なんだか、親のような気持ちになってしまうの。』

鶴丸「じゃ、もう少し甘えさせてもらおうか…。」

三日月「そこまでだ、鶴。」

鶴丸「うわっ!三日月、ちょっと待て!
主、またなっ!!」

バダン。

鶴丸…
宗近に首根っこ掴まれて、部屋の外に投げ捨てられたよ…

三日月「まったく…狐といい、鶴といい。
ここの獣は躾し直さぬとならんなぁ。」

『ケモノ…躾…。』

宗近がサーカスの調教師に見えて来た…

三日月「月胡も。」

『Σいひゃいっ!』

宗近に鼻をつままれた。

三日月「隙を見せるな。調子に乗る。」

『ごめんなさい。』

そんなつもりはないのだけれど、宗近が言うなら気をつけないと。

ー入電ー

『宗近。』

三日月「うむ。」

宗近が私の隣に来て、一緒に確認する。

翡翠「歴史改変の動きあり。
今回の任務は幕末・函館。
土方歳三を生かそうとする動き、あり。
審神者・月胡に歴史改変の阻止を命ずる。」

『了解した。』

ブツン。

三日月「編成はどうする?」

和泉守「俺に行かせてくれ。」

『和泉守…聞いていたの?』

和泉守「主を道場へ誘いに来たんだ。
…なあ、俺に行かせてくれねぇか?」

『貴方には辛い任務ですよ?』

和泉守「覚悟の上だ。」

『…わかりました。
和泉守、貴方を隊長に任命する。
人選は任せます。』

和泉守「…恩にきる。」

そう言い、和泉守は出て行った。



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