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月の雫

第20章 うんともすんとも


答えを出す…か。
覚悟の問題、なんだけどね。

あの方に想いを告げ、受け入れてもらえたら…

いやいや、覚悟だけじゃない!
受け入れられるかどうかの方が、大問題でしょ!?

問題、山積…

なんだか、いろいろありすぎだな。
どれも、自分一人で解決できない案件だし。

伽羅「主、菓子を持ってきたぞ…どうした?」

『おー、伽羅。
なんだか、考えてもどうしょうもない事がねぇ。』

伽羅「ならば、一度考えるのをやめろ。
ほら、茶を入れてやる。」

『ありがとう。一緒に休もうよ。』

伽羅「あぁ。」

そうだな、考えても仕方のない事だ。
なるようにしか、ならない。

『レモンタルトだ…
伽羅、作ってくれたの?』

伽羅「わかるか?」

『うん。
すごく、丁寧に作ってあるから。
私の好物、覚えてくれてたのね。』

伽羅「当たり前だ。」

お、素直だ。
嬉しいな。

伽羅「…主。」

『なに?』

伽羅「今度、ブラック本丸の制圧に行く時は…
俺を連れて行ってくれないか?」

『伽羅を?』

伽羅「また、俺の知らない所で主が傷つくのは耐えられない。…頼む。」

『伽羅…。』

伽羅がそんな風に言ってくれるなんて…
口下手な彼が、こんなにも一生懸命に伝えてくれた。

『わかった。
ただ、緊急の場合は無理な時もあるよね。
その時以外は、必ず。』

伽羅「…あぁ。」

伽羅が私の前に小指を出して来た。

『指切り?』

コクン、と頷いた。
きっと、証が欲しいんだね。

伽羅の小指に、私の小指を絡ませる。

『約束。』

伽羅「約束、だ。」

絡ませた指から、温かい想いが伝わる。

伽羅「…今更だが、俺は何があっても主について行く。
己の身は、己で守る。」

『ありがとう。
よろしくお願いします。』

指を解き、二人でおやつを食べて仕事へと戻る。
黙々とこなしていたら、

鶴丸「お邪魔するよ。」

今度は鶴丸が。

『どうしたー?』

鶴丸「主の顔を見に来た。」

『こんな顔で良かったら、どーぞ。』

軽く答えたら手元が暗くなり、鶴丸が目の前に来ていた。

『鶴丸?』

スッと顎に手を添えられ、上を向かされた。

鶴丸「…よく、見せてくれ。」

『う、うん…。』

急にどうした?



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