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月の雫

第20章 うんともすんとも


膝丸「月胡、兄者が部屋で固まっているのだが…
ん?どうかしたのか、三日月殿。」

『なんでもないよー。
髭切も、可愛い所があるんだねー。』

膝丸「??」

さてさて、仕事をしますか。

『膝丸、拝殿に付き合って。
結界を強くするから、力を貸して。』

膝丸「あぁ、わかった。」

今回の事に納得してくれた子から順に力を貸してもらって、結界をより強固な物へとする。
そうすれば、力を分けてくれた刀剣も結界に何かあったら気付けるだろう。

膝丸「で、どうすればいい?」

『私の肩に手を置いて。
少しずつ、力を流して。』

膝丸「わかった。」

分けてもらった力は、私のと混ざり今の結界と混ざり合う。
強く流されると、私の中に入ってしまうからそこにも気をつけないと。

『はい、終わり…。』

って、膝丸が背中から抱きしめてきた。

『膝丸?』

膝丸「兄者の頬から、月胡の気配を感じた。
…何をしたか、想像がつく。」

あら、バレちゃった。

『お兄様に大変失礼をば。』

膝丸「…俺には?」

『へっ!?』

膝丸「兄者ばかり、狡いではないか…。」

おーっ!
これは、ヤキモチ!?
かわいいじゃないのっ!!

…いや、兄者に?私に?
どっちにヤキモチ?

膝丸「当然、してもらった兄者にだ。」

『あれ?伝わっちゃった?』

膝丸「…で?俺には?」

『…していいの?』

コクリと頷く膝丸の方を向くと、拗ねた顔で私を見ている。
これまた、キュンとするなぁ。

『じゃ…。失礼しまーす。』

チュっと、髭切と同じように軽く口づけた。

膝丸「/////」

わぁ…赤面してる。
これまた、可愛いなぁ。
普段、キリッとしているし、髭切のお世話をしてる姿からは想像できない。

ほのぼのしていたら…

ちゅ。

『Σ!』

膝丸が私の頬にキスをした。

膝丸「お返しだ。」

…不意打ち、ありがとう。
鍛錬に活用させていただきます。

平常心…平常心…

膝丸「…つまらないな。」

『ん?』

膝丸「俺だけが喜んでいるようで。」

もう。

『嬉しいに決まってるでしょ?』

膝丸「…なら、良かった。」

『…ありがとう、膝丸。』

膝丸「あぁ。」

膝丸と微笑み合い、執務室へと戻った。



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