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月の雫

第20章 うんともすんとも


翌日

朝食後、各々の仕事へ向かう前に時間をもらって話した。

『みんな、思う所はあると思う。
それぞれに考えて、まとまったら聞かせてほしい。
じゃ、解散。』

私は今できる対策を打つ。

・本丸の守りを強化する
・想定できる事柄を整理する

そして、一番大切な事。

・なにがあっても、冷静に

膝丸が教えてくれた。
己を見失うな、と。
だから、嘘でも冷静さを保つんだ。
その為には、嘘を見抜いて助けてくれる存在も必要で。

髭切「弟にいい所を盗られたようだから、僕も頑張らないとね。」

『髭切…一人なの?』

髭切「いつもどこでも、一緒というわけでは無いよ。
先日は弟だけが道場に行ったでしょ?」

「そうだったね。』

髭切「僕は月胡の望むままに。
長く生きてきたからね、大概の事には動じないし。」

確かに、髭切が冷静さを欠いたのを見た事はない…かな?
(天然さんも入ってるから、わかりずらいと言うのもある)

髭切「でも…。」

『でも?』

髭切「月胡に何かあったら…
鬼になっちゃうかも。」

…目が笑ってないよ。
でも…

『嬉しいな、そんなに想ってもらえて。』

髭切「素直だね。
そういう月胡も、大好きだよ。」

『…照れる。』

髭切「僕には素直でいてよ。」

髭切の手が頬に触れる。

髭切「目を閉じないの?」

『…何をする気だ?』

髭切「そりゃぁ、口づ…。」

三日月「はい、そこまで。」

スパン、と私の口を宗近の手がガードした。

髭切「邪魔しないでよ、三日月。」

三日月「無理な話だな。」

あー…また険悪に…

『これで、許せっ!』

さっと、二人の頬に口づける。

『もー、大事な時期なんだから仲良く…えっ?』

宗近と髭切が、私が口づけた頬を押さえて赤面して固まってる!
レアじゃない!?

三日月「月胡に一本とられるとは…。」

髭切「じ、じゃあ、部屋に戻るとするよ。」

『髭切!?』

…行っちゃった。

へー。
攻めるのは得意でも、攻められるのには弱いのか。
いい事、知ったな。
てっきり、いつもの軽口で来るかと思ったのに。

三日月「…悪い顔をしているぞ。」

『気のせい。』

ふーん。
他の子も案外、そうなのかも知れないなー。

三日月「…試すなよ?」

『もしもの時のとっておきにする。」



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