第20章 うんともすんとも
翡翠「よー、月胡。」
『Σ翡翠っ!
あれ?もう時間?』
翡翠「まだだ。
少し早く来たんだよ。
昼飯、食べさせてもらおうと思ってな。」
『そう。今、上がるね。』
水から上がり、翡翠と執務室へ戻る。
『着替えてくるから、ここで待ってて。』
翡翠「手伝おうか?」
『…まだ、要介護じゃない。』
翡翠「あら、残念。」
阿呆。
これから頭が痛くなるような話をすると言うのに…
『宗近、二人分の食事を。』
三日月「わかった。」
翡翠「…なんか、普通だな。」
『…。』
自分で仕組んでおいて、良く言う。
翡翠「…次は俺が慰めてやろうか?」
すっと私の腰を抱き寄せ、顎に手をかけた。
『命があったら、ね。』
翡翠「不吉な事を。」
『翡翠の、だよ。』
翡翠「えっ…。」
チャキッ。
髭切「月胡から離れてもらおうか。」
膝丸が鞘をつけたまの刀を、翡翠の首筋にあてた。
膝丸「その手の話、俺たちには笑えぬ。」
髭切・膝丸セ○ム、発動。
『ありがとう、髭切・膝丸。』
髭切「…僕、月胡にも怒ってるんだけど。」
『えっ!?』
私に!?
何か、しちゃったかな?
膝丸「…月胡があのような状態になっていたのに、俺達を頼ってくれなかったからだ。」
『Σあんな事、頼める!?』
髭切「頼ってよ。」
膝丸「月胡の為なら、なんでもする。」
『髭切…膝丸…。』
髭切「もちろん、邪魔なモノの排除もね。」
翡翠「それ、俺の事!?」
『そうみたい。』
髭切・膝丸は、宗近に慰めてもらった事は知らない。
宗近が結界を張ったから、伝わらない。
おそらく、自分でなんとかしたと思ってるのかな。
『頼める事、頼れる事はちゃんと甘えてるよ。』
髭切「そう?」
『うん。』
膝丸「なら、良いんだが。」
あれ?
あんまり信用してない?
翡翠「溺愛、だな。」
髭切「当然でしょ?」
翡翠「即答かよ。」
膝丸「愚問だな。」
…こっちが恥ずかしくなる。
三日月「その辺にしておけ。
食事しながら話をするんだろ?
さ、俺達は席を外そう。」
膝丸「何かあったら、すぐ来るからな。」
翡翠「信用ないなぁ。」
そりゃ、そうだろ。
気を取り直して、食事しながら話を始める。
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