第17章 証
太鼓鐘「…これからは、貴女を…
主を護るためだけに、この刀を使う。」
『ありがとう。』
村正「さっ!
霊力をお分けしますよ!
なんなら、脱ぎましょうか?」
蜻蛉切「脱ぐな。」
『あら、蜻蛉切。
いつの間に。』
蜻蛉切「皆が主に呼ばれたと聞いてな。
こうなるだろうと思って、馳せ参じた。」
『じゃ、千子さまは蜻蛉切に任せるのがいいね。』
村正「私の事は村正とお呼びください。
主の為なら、いつでも!脱ぎますよ。」
蜻蛉切「だからっ!!」
ますます、賑やかになるなぁ。
『もう、はなれではなく本丸で過ごして。宗近。』
三日月「任せておけ。」
新たに契約したい彼らから霊力を分けてもらったら、眠気が襲ってきた。
鶯丸「本当に、ありがとう。
これからよろしく頼むぞ、主。」
『こちらこそ…
鶯丸のお茶、飲みたい…な……。』
無理しちゃったみたい。
眠くて仕方ない。
ん…
身体の中心が温かい。
あぁ、みんなの霊力が馴染んできてるんだ。
本丸全員分もらったもんね。
起きたら、霊力が満タンになる。
あとは、制御ピアスの方に溜めていけばいつも通りだ。
『よし。』
髭切「あ、起きたの?」
『うん。
髭切が居てくれたんだ。』
髭切「うん、三日月は鶯丸とお茶休憩。
月胡は白湯、飲むかい?」
『飲む。』
髭切に起こしてもらい、寄りかからずに座ってみた。
髭切「すごい。
もう、座れるの?」
『霊力、満タンになったみたい。
力を使って座ってる。』
髭切「無くならない?」
『うん。
まだ、長い時間は無理だけど話す時くらいは起きていたいじゃない?』
髭切「…いいから、寄りかかって。」
『えっ?』
髭切「甘えて欲しいって、言ってるの。」
そうだった。
ついつい、一人で解決しようとしてしまった。
『髭切、隣に来てくれる?』
髭切「喜んで。」
隣に来てくれた髭切に寄りかかりながら、私がいない間の話を聞かせてもらった。
触れたところの温度が同じになって、一つになるみたい。
髭切「やっぱり、月胡が居ると本丸が明るくなるね。」
『そう?』
髭切「そうだよ。」
『なら、良かったよ。
私も、同じ。
本丸にいるのが、一番いいな。』
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