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月の雫

第17章 証


翡翠「リハビリが完了するまで、本丸の業務は禁止。
まずは身体と霊力の回復をはかりなさい。
リハビリのやり方や器具は、長谷部に勉強させといたから。
ちゃんと、従うように。」

長谷部「お任せ下さい。」

リハビリトレーナーが長谷部…似合いすぎる。

燭台切「食事の方は僕が管理するからね。
お残しは、ダメだよ。」

栄養士は光忠か。

翡翠「お風呂とかは…俺の式神に頼れ。
緑をいつでも呼べるようにしておく。
緑は、性別ないからな。
さすがに、男が介助じゃ気を遣いすぎるだろ。」

緑「お任せを。」

『何から何まで、ありがとうございます。』

三日月「逆に、俺たちが介助して懲りさせるというのも考えたんだがな。
回復に支障が出るから、辞めておいた。」

『ホント、辞めてくれてありがとう。』

そんな事になったら、恥ずかしくて死ねる。

翡翠「五日後にまた、医師の診察を受ける事。
こちらにお連れするから。
俺からは、以上。」

『色々と、ありがとう。』

翡翠「今回も、よくやった。
傷が治る頃、この本丸全員で湯治って形で温泉リゾート貸し切ってやるよ。
あと、かなりのボーナス支給されてるから。
安心して、休め。」

『やった!…っいたた。』

山姥切「懲りないな…。」

三日月「二度目なのか?
どれ、石切丸を呼んでくるか?」

『せめて、もう少し回復してからにして…。
今日はもう、休みたい…。』

安心したのと、久しぶりに話をして疲れてしまった。

三日月「悪かった。
嬉しくてつい、はしゃぎすぎたな。
さ、安心して休め。」

『うん…おやすみ……。』

宗近のテンションが高いのって、私の時代に旅行へ行った時くらいじゃない?

そんな事を思っているうちに、夢も見ないほどの深い眠りについた。

『おぉ…。』

もう朝だよ。
一度も目が覚めなかった。

三日月「おはよう、月胡。
よく眠れたようだな。」

『おはよう、宗近。
うん、夢も見なかった。
…一晩、ついていてくれたの?』

三日月「時々、様子を見に来たくらいだ。」

…嘘だ。
気配の動きがあれば、少しは感じる。

『ねぇ、宗近。
私が動けるようになるまで、この部屋で付き添いが寝るのはどう?
この状況で何かするような子は、いないと信じてるし。
何かあったら宗近にすぐ伝わるでしょ?」

三日月「そうだな…。」



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