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月の雫

第2章 審神者・始動


ー月胡ー

乱と一緒に広間へ朝食を運ぶとそのまま、短刀たちと食べた。

長谷部「主、上座ではなくてよろしいのですか?」

『よろしいのですよ?長谷部。
一緒に食べた方が美味しいでしょう?』

長谷部「主がそうおっしゃるのであれば。」

『次は長谷部達と食べようかな。いい?』

長谷部「もちろんです!」

お互いを知るには、同じ窯の飯を食べるに限るでしょう。

五虎退「あるじさま、後でお部屋に行ってもいいですか?」

『午前中は鍛刀をするから、午後からおいで。』

五虎退「わかりました!
あるじさま、がんばってくださいね!」

『はい、がんばりますよー。』

小夜「僕も…いい?午後。」

『もちろん。待ってますよ、小夜。』

小夜「ん。」

短刀達には癒される。
弟みたいな、息子みたいな。
脇差もそんな感じで、打刀からはお兄さんだね。
…自称・じじいも居るけど。

山姥切「鍛刀するのか。」

『そうなの。政府からのお達しでね。』

巴「期待されているのですね。」

『どちらかというと、試されてる方ね。』

でも、今日の鍛刀が成功したら…
みんなが望む刀を顕現してあげられるじゃない。
同じ刀派、共に過ごした仲間とか。

『みんなは今日の討伐・遠征・内番をよろしくね。
無理しないでやる事、どんな小さくても怪我をしたら私の所に来てね。
約束ですよ。』

私の言葉にみんな頷いてくれたのを見て安心した。
片付けを済ませて、宗近と執務室へ行く。

三日月「鍛刀、するか?」

『その前に、外の滝で禊をしよう。』

確か、本殿の裏手の森にあったはず。
大きな物ではなく沢のような感じだが、身を清めるのに良さそうだ。

三日月「湯殿ではなく?」

『気合入れるのに、冷たい方が良さそうでしょ?
着替えてくる。』

私室は廊下から入れるが、執務室とも扉で繋がっている。
真っ白な禊用の着物に着替え、装束とタオルを風呂敷に包んで戻るとそれを宗近が持ってくれた。

『持てるよ?』

三日月「少しは近侍らしい事もしないとな。」

『そういうもの?』

三日月「そういうもの、だ。
では、行こうか。」

『はい。』


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