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月の雫

第17章 証


ー三日月宗近ー

月胡め。
また、無茶をしてくれた。
自分の事などおかまいなしに、俺たちの為なら何でもしてしまう…

月胡に今の本丸を見せてやりたいな。
まるで、お通夜だぞ!?

「皆、聞いてくれ。」

広間で沈んでいる皆に声をかける。

「明日から俺たちが交代で付き添う訳だが。
その時、霊力を分けることになった。」

膝丸「霊力を?」

「あぁ。
月胡の霊力は空っぽの状態だそうでな。
満たされぬと、意識が戻らぬらしい。
よって、俺達の霊力を均等に分け与える。
間違っても、神力を注ぐなよ。
月胡が月胡でなくなる。」

そう伝えれば、分かるだろう。
俺達は月胡の望まぬ事は、絶対にしない。

「明日からしっかり、やるべき事・やれる事をしよう。
俺達が本丸を護り、月胡を迎えよう。
いつも、してもらっているようにな。」

ここには居ないが、本丸には月胡の気が満ちている。
心は共に、だ。
それに、俺は約束した。
“本丸を頼む”と。
だから、何がなんでもいつも通りに過ごす。

今剣「そうですね、三日月さん。
いつもと変わりなく、過ごしましょう。」

小夜「うん。」

髭切「そうだね、何をしてても心配なんだから。
なら、普段通りにしていないと。」

岩融「そうだな!」

月胡、お前の刀剣は頼もしいぞ。
だから、安心して休め。

翌日から午前・午後・夜と三交代での付き添いにして、霊力を分けた。
順番が二周目に入ろうとする頃…

翡翠「三日月宗近ー。」

「翡翠殿、どうされた。」

翡翠「月胡の目が覚めたぞ。」

「そうかっ!」

ようやく、戻ったか!

「こちらの支度はできているぞ。」

翡翠「今付き添ってるのは山姥切だね。
彼に運んでもらうよ。
医師の診断で問題なければ、午後に連れてくるよ。」

「よろしく頼む。」

乱「三日月さんっ!
主さん、帰ってくるの!?」

「こら、乱。
盗み聞きは感心せぬぞ?」

乱「だって、翡翠様が来たからさぁ。」

翡翠「流石だな。
問題なければ、午後に連れてくるよ。」

乱「やったぁ!
みんなに知らせてくるねっ!!」

全く…
急に元気になったなぁ。

俺もかなり、浮かれているがな。



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