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月の雫

第16章 新たな傷


全く、いい女に育ちやがって。
…肩が寒そうだな。
布団を上げてやるか。

…。
誰だよ、このキスマーク。
薄くなってだけど、そうだよな。
そっと触れると、髭切の気配。

野郎…
自分ので上書きしてやりたい衝動を抑え、布団をかけてやる。

男だらけの本丸になんて、本当は行かせたくなかった。
だが、審神者にならなければ月胡がした苦労や努力の全てが無駄になる。
審神者になる事が目標だったが、翁に会って使命に変わり…
揺るぎない決意となった。

正直、今の月胡が一番好きだ。
複雑だがな。
他の男の為に尽力してるのが美しいだなんて。

俺も末期だなー。
月胡の為に審神者諦めて、大っ嫌いな政府の役人になって。
そんな役回りなんて、やらない方だったのに。

…いや、特もあったか。

月胡の初めての男になれた。

柄にもなく緊張したっけ。
童貞かってくらい。
本気の相手を抱く時って、あんな風になるなんて知らなかった。
刀剣達の前で言った時の顔…
最高だったな。
優越感で満たされた。
それくらいは、許せよ?
アイツらは四六時中、お前と居られるんだから。

…そういや、月胡はスタイル良かったよな?
今は更紗でも巻いてんのか?

くくくっ…
ざまぁ。
それも、俺しか知らない事だな。
…今のうちだろうけど。

月胡
お前は誰を選ぶんだろうな。

幸せになれ。
それがお前の望みだろ?



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