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月の雫

第16章 新たな傷


「月胡の治療は終わった。
今はまだ集中治療室だが、意識が戻れば動かしていいって。
どうする?
ここで診るかい?」

髭切「当然でしょ!」

薬研「俺が手当てする。」

伽羅「食事も問題ない。」

三日月「全員で対応する。」

だよねー。
頼もしいわ、月胡絡みの事に関しては。
マザコンならぬ、主コンだな。

「わかった。
必要なものはこちらで用意して、届ける。」

膝丸「…こちらに戻るまで、月胡に会う事は出来ないのか?」

「今日は我慢しなさい。
明日から一人ずつ、付き添いを許可する。
明日は近侍の三日月宗近。
それ以降は相談して。
間違っても、喧嘩するなよー。
本丸業務は、内番のみ回して。
月胡が完治するまで、そのように。
質問は?」

…ないみたいだな。

「和泉守、彼らは?」

和泉守「別棟に。
…食事も風呂も済ませた。」

「ん。
じゃ、様子見てくるわ。」

正直、月胡を傷つけた相手だ。
ここの刀剣達は面白くないだろうが…
月胡の気持ちや考えも理解しているようで、文句は言わない。
別棟なのは、お互いに刺激し合わない為、か。
月胡が戻るまでは、仕方ないな。

「入るよ。」

鶯丸「誰だ。」

「君達の仮契約主。
落ち着いたかい?」

太鼓鐘「…あの人は?」

「無事だよ。
まだ、意識は戻らないけど。」

物吉「あの…僕達は…?」

「君達を助けた人…月胡の意思で、心と身体が癒えるまではこの本丸で過ごすようにとさ。
その後は自分達で考えろって。
政府に来るか、あの子…
月胡の刀剣になるか。」

鶯丸「あの方がそれを望んでないのでは?」

「なに?
自分達が傷つけたから?
言ったでしょ?
あの子の意思だって。
勝手なことしたら俺、呪われちゃう。」

太鼓鐘「……。」

「自分で決めなよ。
政府に来て、またどっかの審神者につくか。
命懸けでお前達と向き合った、月胡と契約して償うか。」

考える時間は、十分あるからな。


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