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月の雫

第16章 新たな傷


ー翡翠ー

長曽祢「どうなった?」

加州「Σ主っ!!」

大和守「どうしたの!?」

外で控えていた三人が飛び込んできた。

「大丈夫だ、落ち着け。」

とは言ったが、さすがにまずい。
自分で出血は止めてるみたいだけど、早く治療しないと。
太鼓鐘の刀が刺さったままだし。

「和泉守兼定。」

和泉守「なんだ。」

「ここの刀剣を本丸へ運び、休ませてくれ。
蜂須賀達の時と同じように。」

和泉守「わかった。主は?」

「刀剣のように、手入れって訳にはいかない。
すぐに病院へ運ぶから、本丸で待機するように。」

和泉守「…あぁ。」

「…月胡のピアス、着けてくれる?」

和泉守「あぁ。」

和泉守が壊物でも触るように、そっとピアスを着けた。
そのまま、そっと月胡頬に触れる。

和泉守「主を、頼む。」

「任せて。」

月胡を抱え、政府施設の救急へ運び治療させる。

…また、無茶をしたな。
どんだけ心配させるんだよ。
…人の気も知らねーで。

手術室に運ばれてから三時間が過ぎ、医師が出てきた。

医師「急所は避けていますが、ひと月は絶対安静です。
意識が戻れば、動かすことは可能です。」

咄嗟に避けたか。
ホント、抜け目ない子だ。

「わかった。」

ここで治療だっていっても、本人も月胡の刀剣達も納得しないよな。
薬研が居るから、手当ての仕方を教えればやってくれるか。
食事も燭台切なんかに任せた方が美味いの作るだろうし。

さて。
もう一仕事、だなぁ。
こっちの方が、大変そう…

月胡の本丸へと向かう。

「お邪魔するよ。」

三日月「翡翠殿、月胡は?」

「説明するから、みんなを広間に集めて。」

三日月「…すでに集まっている。」

さすが。
みんな、月胡が心配でたまらないんだな。
こんなに愛されてる審神者は、見た事がない。

広間へ行くと、重ーい空気の中に刀剣達が居た。
ありゃー。
お葬式かよ、まったく…



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