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0と1への還元

第1章 監督生の絶望。


このまま何も残せず朽ち果てて、自我もなくなって只の元素に還元されていくのか。それは、あまりにも虚しく寂しい。
「…最期に会いたかったなぁ。」
ぽつ、と涙の代わりに溢れた言葉は掠れていた。
「…ねぇ、監督生さん。僕と兄さんならできるかもしれないよ。」
目の前にある幼い眼が真剣さを帯びて私を見つめる。その向日葵色には、間抜けな虚を突かれた顔。
「本当?」
「うん。あなたと仲良くなった時から僕らはあなたが少しでも元の世界と繋がれる方法を探してたんだ。」
完全に戻れなくてもいい。私は少しでも両親と話したかった。一も二もなく頷けば、横抱きにされた。
「わっ、ちょっと!?オルト君!?」
「しっかり捕まっててね!」
物凄いスピードで流れていく景色に思わず悲鳴が上がる。そのあまりの恐怖に気絶した。
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