第2章 夢の中の君
「がぁー!!」
化け物が3人に襲いかかる。
は一瞬で抜刀し、化け物を切り刻む。しかし、化け物は再び再生した。
化け物は次にエドワードに手を伸ばす。エドワードは錬金術で生成した槍で心臓部を突き刺すが、化け物はなんともないように槍を掴んでエドワードを投げ飛ばす。
「うおっ!」
ダンッ!!
「いって!」
狭い車両のなかであり、うまく受け身が取れず倒れこむ。
『エド!』
「兄さん!」
「うがぁー!!」
倒れこんだエドワードに再び襲いかかる化け物。アルフォンスがその手をつかみ、羽交い締めにする。しかし、あまりの力の強さに押さえ込めない。
「くっ。だめだ。力が強すぎる。押さえ込めない。」
「がぁー!がぁー!」
化け物はより強く抵抗し、空いている手を振り回す。その手がアルフォンスの頭に辺り、頭がぶっ飛んだ。
「アル!」
「大丈夫!」
『どうしたら…。』
その時、列車がトンネルから抜け日が射した。
「あがー!がぁー!」
『「「!!!?」」』
日に当たると化け物は苦しみ出し、徐々にその体は崩れていく。
『なに…。これ。日に当たってるから?』
やがて、化け物は跡形もなく消失してしまった。
「なん…だったんだ?理解できねぇ。」
『「「…。」」』
3人はいま起きたことが理解できず、呆けていた。
「!!姉さん!後ろ!!」
が振り向くと、そこには真理の扉が現れていた。
『なっ!』
扉が開き、無数の手がを掴んだ。突然のことで体が動かなかった。
「ねぇさん!手を!」
エドワードが駆け寄り手を伸ばすが、その手はの伸ばす手には届かなかった。
「「ねぇさん!/姉さん!」」
『エド!アル!大丈夫!絶対戻ってくる!!だから大佐たちに報告を…。』
が叫んでいる途中で扉は閉まってしまった。
「くそっ!開けろよ!ねぇさんを返せ!!」
と扉を叩くが開く様子もなく、徐々に消えていった。エドワードはその場に膝をつき、崩れ落ちた。
「兄さん…。姉さんが…。」
「アル…。中央に戻るぞ。大佐に報告する。」
「姉さん…。」
アルフォンスは扉が現れたところを眺めたたずんでいた。