第2章 夢の中の君
『あー!!みんな信じてないな!!カッコいいんだから!!黒髪で~青い目をしてて~…』
はうっとりと、夢を思い出しなから語り始めた。
「あーはいはい。何回も聞いてるからいいよ。変な異国の服をきてるんだろ?わかったから。」
エドワードが呆れたように、姉の夢語りを阻止した。
「それでことごとく、司令部の男どもはフラれてるのね。」
「「えっ?」」
エドワードとアルフォンスは驚きの声をあげる。
「あら?意外?少尉はとてもモテモテなのよ。そこの大佐もフラれた一人だけとね。」
リザはちらっとロイに視線を送る。
「「えええー!!Σ(Д゚;/)/」」
エドワードとアルフォンスはさらに驚きの雄叫びをあげ、ロイを凝視する。
「中尉、そんなことはどうでもいいだろう。」
「あら、フラれて1週間無能になってみんなに迷惑をかけたのはどこのどなかでしたか?」
「うっ…。」
リザの痛い攻撃に撃沈し、机に伏せてしまったロイであった。
『あー。そんなこともあったあった。でもわたしの全ては夢の君のものだからごめんね。』
「ねぇちゃん、そんなこと言ってると一生結婚できねぇーぞ。」
エドワードは姉の将来が心配になってしまった。
『別にいいもん!!ところでわたしに何か用があって来たんじゃないの?』
「あっそうだった。姉さん。ウィンリがそろそろオートメイルのメンテナンスしたいから、帰るついでに姉さんも連れてきてって言ってたんだ。」
アルフォンスが思い出したように話し出す。エドももオートメイルが壊れてからウィンリの元へ行くため、散々怒られ月1のメンテナンスを言い渡されたのである。
『あーそんな時期か。なら弟たちと里帰りしようかな。大佐!!いいよね?有給頂戴ね!!』
「はぁー。仕方ない。1週間だぞ。」
はちゃらんぽらんな性格であるが仕事はきちんとする。その丁寧で性格な仕事ブリは本人の性格からして考えられないくらいである。
『やったー!!ありがとう!!大佐!!じゃあ準備してくる~!!』
はものすごいスピードで自分の部屋へ向かったのだった。
「大佐…。忙しくなりますよ。」
「はぁ。言わないでくれ。」
ロイはため息をつき、再び机に伏せてしまった。