第8章 上弦の陸
「本当に、大丈夫だな?」
「はい…お役に立てず申し訳ありません……」
天元の妻・雛鶴。
蕨姫花魁が鬼だと気づいたが、向こうからも怪しまれ、身動きがとれなくなってしまったのだ。
毒を飲み、病に罹ったふりをして"京極屋"から出ようとするも、別れ際に蕨姫花魁に帯を渡された。
監視、及び殺害を目的として、何か起こった場合、即座に雛鶴を始末できるように。
「お前はもう、何もしなくていい。解毒薬が効いたら吉原を出ろ。わかったな」
ギュッ。
「……はい」
力無く返事をする雛鶴を抱き寄せ、天元は歯噛みする。
絶対、許さねぇ……
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「で?お前はどうするよ?俺か?冨岡か?」
「………ぁ」
ドォン!
近くから爆発音が轟いた。