第79章 燃ゆる想いを$(冨岡裏)
「俺も勇輝哉の面倒を見れるようにしたい。物覚えは良くないかもしれないが、教えてくれないか?」
申し訳無さそうに頭を下げる冨岡を見て、白藤が目を丸くする。
それと同時に彼女の目から涙が流れた。
「………良かった。義勇さん、子供が嫌いな訳じゃ無かったんですね?」
ここ最近、胸につかえていた悩みの種がようやく解消されたことに安堵した。
「意思疎通が取れないから混乱するが、嫌いな訳じゃない。勇輝哉は俺と白藤の子だからな」
「嬉しいです。さっそくですけど、勇輝哉のこと抱っこしてあげてください」
勇輝哉を抱こうにも、手をこまねいている冨岡に白藤が手元を見せて説明する。
「どう、やればいいんだ?」
「こうやって、片腕で支えるようにして。空いた腕は抱え込む為に外側に添えるんです」